人づくりとプラグマティズム(実践主義)

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

東海地方も急に冬景色となりました。私たちの会社のある名古屋市においても降雪がありました。雪による転倒や交通事故などの不慮の事態のほか、新型コロナウィルスも急速に流行が広がってきており体調管理に気をつけたいものです。

前回取り上げました「人づくりこそがマーケティング」というメッセージについて、思いのほか反響をいただきました。ありがとうございました。経営の現場において、マーケティングをはじめとしてさまざまな施策がありますが、根底にはそれを行う人自身が問われているとつくづく感じております。いくら良い考え、良い手法を思いつき、議論したところで、それが実行されなければ何ら意味がありません。陽明学に知行合一とあるように、知識は行動が伴ってこそ価値があるものです。

そこで哲学的なキーワードのご紹介となりますが、「理論や信念からはなく、行動の結果によって物事を捉えていこう」という考え方のことをプラグマティズムといいます。プラグマティズムはしばしば「実践主義」と簡潔に翻訳されることもあります。このプラグマティズムは、私たちの会社にとっても、「考えているだけでは意味がなく、行動してみなければ始まらない」という点で重きを置いている言葉です。コロナ禍の今こそ、沈黙し、ただ物事が過ぎ去るのを暗澹たる気持ちで待つのではなく、できることを考え実践していきたいという自省を込めて、このプラグマティズムについて、深く考えていきたいと思います。

グローバル化や多様化、そしてコロナ禍による急激な外部環境と価値観の変化が進展する現代社会において、自身の培ってきた価値観や既存の価値観を絶対的存在とはせず、常に修正を加えながら前進を試みる姿勢は大切です。「ダーウィンの進化論」にある有名な言葉として「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化できる者である​」という言葉にもあるように、プラグマティズムとはこのような柔軟性を持ち、かつ開放的な考え方のことといえます。「過去に正しかったことが、本当に今も正しいのか」と考え続ける姿勢は重要です。

プラグマティズムは今の時代に即しながらも、決して時代に迎合しない考え方です。そして自身の柱を持ちつつ、よりよい環境づくり、より良い仕事の成果を出していくための必要な考え方といえます。次回は、このプラグマティズムをより詳しく探求していきます。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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