コロナ禍におけるPEST分析と消費動向の見通し

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

お盆休みを過ぎ、朝晩に多少の涼しさを感じる季節となりました。

前回は、コロナ禍における外部環境の変化について、PEST分析のフレームワークを用いて考えました。Politics(政治)要因としては、完全雇用の状態における政府継続にともなう国内要因としてのインフレ(現在起きているインフレは海外要因によるもの)、Economy(経済)要因として家計支出の機会喪失にからのリバウンド需要、Society(社会)要因としてリモート化とその対局にあるリアル体験の充実需要を取り上げました。

今回取り上げるTechnology(技術)要因としては、イベントや海外渡航等におけるワクチン接種証明や陰性証明の提示による緩やかな経済活動復活ともに、運輸・通信・ロボット・AIなどの分野で、できる限り人との接触を回避した技術の確立が急がれます。

以上をまとめると、「自粛を余儀なくされたり家計支出の機会喪失に陥っていた分野」については、積極的な消費活動が予想されます。特に、旅行や親戚や友人など同居以外の家族との交流が多くなっていきます。「今まで我慢していたことをやりたい」という生活者のニーズは、短期的には特に高まっていくことが考えられます。

次に、「自粛を余儀なくされたり家計支出の機会喪失に陥っていた分野」以外にももう一つチャンスがあります。それは、我慢をしていた分野があったことと同時に、「新たに生まれた分野」や「価値が見直された分野」に関する消費がありました。それらのキーワードは、「プレミアム消費」です。プレミアム消費とは自分のお気に入りにこだわりといったプレミアム(付加価値)に対してしっかりと対価を払うという消費スタイルです。野村総合研究所が3年ごとに実施している消費者志向調査によると、プレミアム消費が製品にこだわりを持たず低価格を重視する「安さ納得消費」と同じくらい重視されることが明らかになっています。

今回はコロナ禍における外部環境と消費動向について、PEST分析を用いてご紹介いたしました。PEST分析は、物事を俯瞰してみたときに注目すべきことは何かを考え、要素を明確化していくフレームワークです。当面はコロナ対応と経済活動のバランスが求められます。価値観が変わったことによる需要の掘り起こしや新規需要も意識しつつ、今後のビジネスモデルの展開について打ち出す必要に迫られていくと思われます。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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