ファクトファインディング

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

ファクトは何なのか。自分自身、社員、そして相対するお客様の主観ではなく、実際にあったことや事実は何なのか。私においても最近、重い決断をしなければならない機会が多々あり、その判断基準を考えさせられる日々です。

さて、今回もファクトについて私自身の体験したことを振り返りつつ、特にファクトを見つける力をテーマとして書いていきたいと思います。

最近はコロナ禍ということもあり、オンライン商談が増えてきています。オンラインの場合、どうしても一方通行でプレゼンテーションをしてしまいがちなのですが、やはり「7対3の法則」、発言の比率はお客様7割、自分たち3割という原則は生きていると現場の様子を見ながら確信しています。オンラインであったとしても、対面であったとしても、顧客の事実を掴むことの第一歩は当然、お客様の話を多く聴いてくることです。

しかしながら、お客様も自分の発言を「全て事実」として勘違いして捉えていることが多々あります。お客様自身が事実と想いを混同していることも少なくありません。事実が把握できれば、仮説を立てることも、その先の課題解決を行うことも可能です。

事実を見つけ出すことを、ここではファクトファインディングと呼びます。顧客との商談において、事前にしっかりと調査を行い、現場では熱意と誠意を持って臨むことは大前提です。しかしそれだけでは、顧客自らが課題を口に出すことはありません。顧客の真の課題を見つけることが、私たちの腕の見せ所ともいえます。事実を多くつかみ取り、簡要にまとめ、それを並べて差し上げ、相手の理解を得て、そこから課題を把握していくことがファクトファインディングといえます。

そこで、ファクトファインディングのための対話やファシリテーションの中で、私自身が気をつけていることを上げてみたいと思います。
「事実と意見や想いを混同しない」
「なぜやらないのかを把握する」
「お客様の仰る情報をとりまとめ、過去・現在・未来の順で再度お客様に提示する」
「仮説を立てて聴くものの、仮説に固執しない」
「先入観を廃する」
「数値にできる事象、たとえば売上金額や商談件数などの定量的なデータを得る」
以上の観点で、世の中のコミュニケーションを見渡してみると、ファクトを把握できていないことがとても多くあります。リーダーである私たちは事実と主観を区別して把握する能力を磨いていきたいものです。

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