相手に行動を促したいときのアイ・メッセージ

加藤滋樹のつぶやき

「今日の発表、(あなたの)スライドのまとめ方がとても上手でしたね」
「今日の発表、スライドのまとめ方が上手で(わたしは)とても参考になったよ」
前回は、ユー・メッセージである前者とアイ・メッセージである後者との違いを取り上げました。

リーダーが部下を褒める時は得てしてユー・メッセージになりがちです。上司と部下という関係の場合、上司は「何としてでも良いところを見つけ出して褒めなければ」と意識し、部下からしてみると「そこは自分では頑張っていない部分。もっと頑張れということか」と逆の意味で受け取ってしまいがちです。ユー・メッセージは上位下達、垂直方向の情報伝達であり、自分の評価と相手の感覚が一致しない可能性があります。

一方でアイ・メッセージは、相手に対して自分の感情や感想を共有しているだけなので、水平方向の情報共有となります。相手が嫌味に感じたり反発したりすることはありません。相手は、他者の存在を通して自己承認ができるためモチベーションアップにつながります。喜びや感謝といった相手からのポジティブな反応は嬉しいものです。

これは褒めるときだけでなく、部下にタスクをお願いしたいときや、顧客に行動を促したいときにも応用ができます。

メッセージを発信するとき、主体は自身であり、当然ですが自分の都合によって感情や要望は発生します。「なぜ、こういった要求が生まれて来たのか」を冷静に考えてみると、「私が嬉しいから」「私が助かるから」という自分都合であることがわかります。では、なぜユー・メッセージでの指示が口から出てしまうのでしょうか。

アイ・メッセージではなく、ユー・メッセージで伝えがちな人は、「どうして自分がそうして欲しいのか」という点について掘り下げて考えることに鈍感です。例えばビジネス文書で「ページ番号を振ってくれたら(私は)嬉しい」というアイ・メッセージがあったとすると、ユー・メッセージで考える人は「文書とはページ番号を振ることが当然である。(あなたも)そうするべきである」という慣習や社内ルールが念頭にあり、最終的に「自分が助かる」という感情に気がついていません。

このように、「あなたは◯◯をすべきである」というユー・メッセージを発したくなったら、少し我慢して「私は嬉しい・助かる・安心できる」という自分の感情を言い表すアイ・メッセージに変換できると、関係性の向上に役立っていきます。

関連記事一覧