アイデアとは既存の要素の組み合わせである

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

Combining the wisdom for developing new idea.

日中は汗ばむ陽気となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

前回の拙稿では、アイデア発想の源泉として「インプットの量で閃きに至るまでの早さが変わる」「アイデアはインプットの成果である既存の要素の組み合わせである」ということを述べました。

今回は「既存の要素の組み合わせ」について改めて深掘りしていきます。

もともと、私はアイデアについて「無から生まれるものである」と思っていました。いわゆる「ゼロイチ」という考え方です。しかし、ヤングの『アイデアのつくり方』を読んで、それは間違いであることに気づきました。

大切なのは「既存の要素の組み合わせ」です。この考えを念頭におくと、同書で述べられているアイデアに至るまでの五つの段階である「資料集め」「関係性の発見」「意識の外に置く」「緊張を解いて発見を待つ」「現場での活用し有効性を確認する」も理解しやすくなります。つまり、自分もしくはチームの中に「既存の要素」が無ければ、新しい組み合わせが生まれることは決してありません。だからこそ、一番最初の作業は「資料集め」であり、次の段階が「関係性の発見」という集めた資料を組み合わせることになるのです。そうして、様々なジャンルの資料や情報、そして様々な知見を持つ人たちが集まり組み合わさっていくことにより、新たなアイデアは生まれてきます。私は、日々の現場においてもそのことを実感しています。

加えて、アイデアの発想がゼロからイチを生み出すという特殊な技術ではなく既存の要素の組み合わせであるということを知ることができれば、凡人である私にも容易にアイデアが発想できるという気持ちになります。つまり、アイデア発想にチャレンジする際の気持ちの敷居を下げることができます。既存の要素の組み合わせであることを知ることは、仮に良いアイデアが生まれてこなくても、「そのうちに発想されるに違いない」という良い意味での楽観論も芽生えてきます。

アイデアとは既存の要素の新たな組み合わせであるということを、基本的な構えとして理解しておくことは、アイデア発想に対して身構える必要がなくなり、よりリラックスした状態で創造活動にチャレンジできるようになります。

アイデアは既存の要素の組み合わせである。

私たちがこの考えを組織全体に伝えることができれば、チームの力を発揮し、創造活動へのモチベーションを上げることにもつながっていきます。

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