素直な心とマーケティング

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

暑い日々が続いております。東海地方は観測史上二番目の速さで梅雨が明けてしまったとのことで、電力需給の逼迫や今夏の水不足が気になるところです。

さて、先週は松下幸之助翁が仰った「好況よし、不況なおよし」を引用しつつ「素直な心」の重要性について述べました。今回も、当社の話題を取り上げつつ、素直さということを考えていきます。

当社は6月から新しい年度がスタートします。今期の方針のうちの一つに「マーケティング活動の実践により私たちが一段と成長し、以てお客様の人づくりに貢献する 」というものがあります。

「マーケティング」という概念の理解は難しいものです。様々な解釈があるのですが、私たちは、マーケティングという言葉について「フィロソフィー(哲学や考え方)の合うお客様候補に目の前に来ていただくこと」と定義しています。私たちは、良い製品やサービスさえあれば「市場から注目してもらえる」「興味を持ってくれるはずだ」と考えてしまいがちです。確かに提供するものに自信を持つことは大切であり、疑心暗鬼ではビジネスは発展しません。

しかし、自らが思ったほど市場から注目はされないということも現実です。その差を埋めること。つまり、市場から耳聞を集め、商談に至るまでの件数や商談への期待値を高めることがマーケティングの役割になります。そのためにも冷静かつ客観的に、市場、お客様の興味、競合、製品・サービスの本質的な差別化要素を分析していくのですが、「自分達の製品は素晴らしい」の一点張りのスタンスを変えることができずに、その分析作業に臨めなかったり、分析結果を受け入れることができない悲しい人がいることも事実です。

新たな製品・サービスを市場に訴えていく際には、必ず自分本位の見方だけではなく、お客様の立場にたち、競合との差別化など様々な角度から見え方を分析する必要があります。その分析を厳格かつ客観的に行うためには、一度、自社の製品への過度な思い入れを無くす必要があります。

私も反省するところが大きいのですが、若い人達、普段現場で汗を流している人たちに比べて、管理職や経営者層のほうが、この冷静さと客観性に乏しい人が多いように見受けられます。

お客様や市場に対して熱い想いを持って訴えることと、素直な心で冷静に状況を分析し理解する客観性。その二つを持ち得ることが、今後のリーダーにとって貴重になっていくと思われます。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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