人づくりとマーケティングは別々ではなく、一方を取れば一方が廃れるものではなく「両輪である」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

新年あけましておめでとうございます。

年末年始はお取引先の方々と直接お会いし、ご挨拶を申し上げる機会に恵まれました。恐らく三年ぶりのことです。行く先々で担当している社員の姿勢についてお褒めをいただいたことが印象的でした。

近年はコロナ禍ということもあり、広く営業活動をすることはかなわず、一つ一つのご縁を大切にしていくことを心がけておりました。私たちが付加価値をご提供するのは当然なのですが、お客様に丁寧に向き合うことにより結果として私たち自身がお客様にお育てをいただいていることを有り難く感じました。

 2023年最初の記事は、本コラムのテーマを「人づくりとマーケティング」としました理由を改めてお伝えいたします。
 人づくりとマーケティング。このテーマに取りくもうを考えた理由は、行き過ぎた現代のマーケティング一辺倒への危惧です。近年、マーケティングの技術として「見込み客の獲得方法」「見込み客を購買者に育てる手法」「効率的な顧客管理」という手法のみが目立つようになりました。もちろん、当社においてもこのような算盤的な数値目標は重要視していますが、これらのみを意識することは、日本人として大切に培っていた精神性がすっぽりと抜け落ちているような気がしてなりません。

 渋沢栄一の『論語と算盤』という書籍のことばをお借して、人づくりとマーケティングは別々ではなく、一方を取れば一方が廃れるものではなく「両輪である」ということをこれまでも訴えてきました。
 儒教の経書の一つであり二宮尊徳が​​薪を背負いながら読んでいることでも有名な『大学』の一節に​​「その本乱れて末(ルビ「すえ」)治まる者は否(ルビ「あら」)ず」という文章があります。「本」と記されている本学は論語などの人間力を高めるような学び、「末」と記されている末学は算盤的なものでありマーケティングや仕事で必要な技術の学びのことをいいます。

 その本乱れて末治まる者は否ず。改めてその本質を探求しつつ、リーダーである皆さま方のお役に立つメッセージをお届けして参ります。

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