真因に辿り着いてから手段や施策に取り掛かる

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

先般、製造業の会社での話題を書いたところ、「ロジカルシンキングという言葉は聞いたことはあるのだが、結局どういうものなのか」というお問い合わせをいただきました。

 確かにインターネット上や多くの書籍においてロジカルシンキングのことが紹介されていますが、どれもが少し専門的であり、プロフェッショナルな講師を招いて行うならば別ですが、普段の現場で使うには難易度が高いような気もします。
 場面を思い浮かべるとイメージがつくと思うのですが、たとえば複数人でホワイトボードを前にして、「さぁ、これから前向きな話をするぞ!」とモチベーションが上がってきたときに、インターネットや書籍から拝借してきた進行方法を教科書的なものとして傍(かたわら)において、たどたどしくファシリテーションを進めてしまっては、せっかくの議論も絶対に盛り上がりません。

 そこで、改めてこのロジカルシンキングというものを、実際に運用する側の視点でシンプルに考えてみたいと思います。
 ロジカルシンキングを端的にいうならば、物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら本質を理解する思考方法です。特に、私たちは問題解決の際に効果的な手法であると確信しています。
 加えて、ここで改めてロジカルシンキングのメリットを整理します。論理的に思考ができる人ということは、人と情報共有をする際にも論理立てた説明ができるということです。特にビジネスシーンでは、感情的な説明よりも、事実に基づいた無駄のない説明のほうが好ましいとされています。論理が飛躍したり、破綻したりしなければ、相手に自分の考えが伝わりやすくなります。もちろん、直接話す場合だけでなく、メールやチャットなどでの情報共有時にも、ロジカルシンキングは役立ちます。

 ロジカルシンキングでは、常に原因と結果という因果律を理解しながら論点を整理します。たとえば、進行中のプロジェクトで大きな課題に直面した際にロジカルシンキングを行い、本質的な原因にたどりつくことができれば、どうすれば現場を打破できるのか、どこを改善すれば良いのかなどを見抜く能力が上がります。この本質的な原因のことを私たちは「真因」と呼んでいます。
 この真因を探求する前に手段に着手する場合が実際は多く存在していますので、社内外に関わらず真因に辿り着いてから手段や施策に取り掛かるように、日々気を配っています。

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