素直な心になれば、物事の実相が見える

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

二十四節気でいうところの啓蟄を過ぎました。土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のことだそうですが、実際は一気に春を感じさせる陽気に移り変わりました。

 今回は、このロジカルシンキングにおける真因探求の方法について、二つ取り上げたいと思います。
 はじめに、ピラミッド構造と呼ばれるものです。ピラミッド構造とは、結論を仮説として設定し、その下の階層において根拠を並べ、さらにその下の階層において根拠に対する根拠を列記していくという繰り返しになります。根拠は一つに限られるわけではないので、結論を頂点としたピラミッド構造になっていきます。ロジックを組み立てるアプローチには、ピラミッドを頂点である仮説から根拠へ降りていくトップダウン。根拠を繰り返し積み上げて構築していくボトムアップという二つの方法があります。

 次にフレームワーク思考についてです。フレームワーク思考ではMECE(ミッシー)とロジックツリーの二つが重要となります。MECEとはMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で「漏れなくダブりのない状態」を指し、「ミッシー」と呼ばれています。たとえば、新商品を企画する際には、ターゲット設定から始める必要があります。ここで適切にターゲット設定をするためには、MECEを意識していく必要があります。この場合、年齢、個人・法人、地域などの切り口で漏れなくダブりなく分類していく必要があります。

 また、論理的に考える際には、ロジックツリーの活用が効果的です。基本となるロジックツリーには、問題の原因を掘り下げて考えることで根本的な原因を見つけていく「WHYツリー」、課題解決の方法を整理して優先順位をつける「HOWツリー」、大きな要素を小さく分けていく「WHATツリー」の三種類があります。

 今回はいくつかの手法を書きましたが、これらを厳格に用いるかどうかということよりも大切なことがあります。それは、リーダーである私たちが参加者の考えていることを素直な心で受け止めるということです。松下幸之助に「素直な心になれば、物事の実相が見える。なすべきを行い、なすべからざるを行わない真の勇気もそこから湧いてくる」という有名な言葉があるように、素直な心で参加者の意見を聞き、見える化し、整理していくことが真因に辿り着く一番の近道といえます。

関連記事一覧