ゼロイチに立ち向かう人たちの特徴「逆境を楽しむ力」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回の拙稿ではゼロイチの必要性について述べました。ゼロイチとは、まだ世の中に存在していない製品やサービス、価値をつくり出すことを意味するビジネス特有の用語です。

 私たちの生活を向上させていく製品やサービスは日進月歩であり、常に新しい技術が開発され、生活に導入されてきました。このようなイノベーションを起こすことができるのは、エリートであったり、特別な才能を持っている人だと考えられがちです。しかし、実際に新しい製品やサービスを世の中に提供する人は、必ずしもエリートであったり、才能が豊かな人たちばかりではないことも現実です。

 そこで、今回は、改めて私なりにゼロイチに立ち向かっていくことができる人たちの特徴について、整理してみました。
・逆境を楽しむ力がある
・机上ではなく実行しながらPDCAを動かすことができる
・新しいことや曖昧なことに挑戦できる
・コミュニケーション能力が豊か
・行動に移すまでが早い
・コスト意識を持っている

 このうち、今回は、一つ目の「逆境を楽しむ力」について、紐解いて考えてみます。

 逆境を楽しむことができる人は向上心が高く、失敗よりも成功することに意識を向けています。ゼロイチである新規事業領域では、周りからの期待や事業を成功させる責任など、様々なプレッシャーを感じることがあるため、それらに負けない精神力が大切になります。

 また、逆境を楽しむという点では、リスクを積極的に取るという姿勢も生きてきます。リスクを取るということは、それぞれの手段に対して想定されるリスクを正しく理解し、そのリスクを取ってでもチャレンジする価値やメリットがあると判断し選択できることです。新規となる事業領域の立案やリリースのときには、様々な手段や方法を検討することとなります。もちろん、何もかもが必ず成功するわけではなく、当然、失敗する可能性、人的・資金的なコストを伴うリスクをはらんでいます。その際に、どれくらいまでなら許容できるのかということを厳格に計算できるかどうかということは、重要な技術といえます。

 逆境を楽しむということは、重圧を感じつつも冷静にリスクを分析し、積極的に許容していくことともいえます。失敗を恐れないようにみえる人というのは、ぱっと見は果敢に見えて、実はしっかりと計算をしている人が意外と多い印象です。

 次回以降もこのゼロイチに立ち向かっていく能力について考えていきます。

A group of people is against the backdrop of modern buildings. Silhouettes.

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