第4回目となる、社内木鶏会を開催しました。

木鶏会とは、月刊『致知』を読み、感想を述べ、それに対して、素心と美点凝視の精神でフィードバックをお互いに行うミーティングです。
(詳しい解説は致知出版社様のHPをご覧くだささい)

今回は特別ゲストとして、介護施設の経営者様と小社とのご縁をお繋ぎいただいております、マイハート倶楽部・代表の石原陽児様にもご参加いただきました。
石原様からは、「東海のケアを日本一にする」という観点からの理念、そして介護施設での講師経験から裏打ちされた実践力と現場感覚、そして優しさに基づく貴重な感想をいただきました。ありがとうございました。

今回取り上げた、11月号のテーマは「根を養う」。
参加したメンバーからは「子どもたちや後輩のよい見本になりたい(トイレ掃除の話題から)」「机上の空論ではなく実体験から根を養いたい」「上辺(うわべ)だけの感動ではなく本当の意味での感動が大切」といった読後感を共有しました。

今回も素晴らしい仲間と所感を分かち合うことができ、感謝です。

最後に、毎度恒例となってまいりましたが、小生の感想文を転載いたします。
考えの一端を共有することができましたら幸いです。


致知11月号「根を養う」を読み、印象に残った言葉を横断的に取り上げる中で、昨今の弊社の活動、小生の活動と合わせて感想を述べたいと思います。

P10藤尾社長・特集総リード「根を養う」の中では、「高く伸びようとするには、まずしっかりと根を張らなければならない。基礎となる努力をしないと、強い風や雪の重みに負けてたおれてしまう」から、基礎の重要性を改めて学びました。

P22「渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ大転換期の生き方」からは、「この世の中は陰と陽で成り立っています。陰と陽は両方なきゃダメなんですよ。ところが、どこの会社だって前年比何%増って、陽ばかりを盛んに言っている。それではいつか転けるんです。陰は何かというと、充実・革新です。充実・革新をやらないと成長に追いつかない。今回のコロナ禍によって、そのことにようやく気がつきはじめたのではないでしょうか」という文章から、陽の当たる事柄、動くものに目を奪われるばかりでなく、日陰の部分となる根源の部分について深く考える機会をいただきました。

p50「立腰教育が人間の礎をつくる」からは、「いやしくも我が身の上に起こる事柄は、そのすべてがこの私にとって絶対必然であると共に、またこの私にとっては最善」という、どんな場所・事柄からも最善感を得る心構え、ブレない想いを得ていこうと確信しました。また、長男の小学校でも立腰タイムがあり、とても共感をするとともに、その教育方針にとても改めて感謝をしました。

P100「第21回仕事と人生に生かすドラッカーの教え 私たちが直面している挑戦は知識を再び人格形成のものにすることです。道具としての知識を超えることです」では、「場所を共にしなくても一体感をもって働くにはどうしたらよいのかという新しい課題に取り組む必要に迫られている」「一つはミッションなど組織が向かおうとする方向性を明示すること」「もう一つがセルフマネジメントと呼ばれる領域に係ることです。上司が目の前に物理的にいなくても、組織が目指す方向を理解し、自己決定をしながら仕事をする人材が求められます」という文章が印象に残りました。自律して行動していくための、要素として、方向性・ミッションの明確化の重要性を痛感しました。

以上の含意を考えてみると、このコロナ禍というものは、私たちの根底にあるものをしっかりと考える、絶好のチャンスであるということです。小社も「日本で一番幸せを感じられる会社をつくる」という理念を掲げてはいるものの、まだまだ燦然と輝く志のみであり、足下がおぼつかないことが多数あります。それでも、途方に暮れる日があっても、日々愚直に、お会いした方々を応接し、要望に適う取り組みを、少しずつ少しずつ、改善しながら理念に向かって前進をさせて参ります。

私たちの会社においては、夏以降、コロナ禍の混乱から次第に落ち着きを取り戻し、少しずつですが業績数値も回復傾向に転じました。メンバーの皆さんには感謝しかありません。しかし数ヶ月を振り返ってみると、私自身、外出活動が憚られることを言い訳にして、内向きになってしまいがちであったのではないか、「自らが」という当事者意識の源泉が薄まっていることがなかったか、この文章を書きながら反省をしています。

年末の足音が聞こえてきました。稀代の教育者、森信三先生が「逆境は神の恩寵的試練なり」とお言葉を述べられたように、本年はまさに小生の志の如何が問われる日々でした。本稿をお読みの皆さんとともに、率先して挑戦心と当事者意識を整え、弊社下期(12〜5月)の経営計画、そして将来の方向性を明確化します。そして、その想いが仲間に伝播していくよう、今こそ再度根を養い、情熱を持って経営に立ち向かっていこうと心新たにしています。

以上

加藤滋樹

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