ブレインストーミングについてシンプルに考えてみる

加藤滋樹のつぶやき

5月26日は皆既月食でした。午後8時過ぎに小学校5年生の長男と夜空を見上げたのですが、残念ながら曇り空で見ることができませんでした。しかし、そもそも皆既月食とは、太陽の光が地球の影に隠れて、照らされている月が赤暗くなってしまう現象のこと。「暗い」ということは、月が雲の影に隠れてしまうと、通常の月より更に見えづらくなります。そんな自然現象が少しでも理解できたことを有り難く体験をいたしました。

さて、前回までは会議や対話を創造的に運営し、アクションまで結びつけていく技術である「ファシリテーション」について論理的背景と私の体験を述べて参りました。今回からは、多数の人たちと協働しながら物事を進めていく現代において、ファシリテーションと同じくらい重要なアイディアの共同創造手法、「ブレーンストーミング」について取り上げていきたいと思います。

新しいアイディアを考えなければならない。そのような差し迫った状況に、誰もが陥ったことがあるのではいでしょうか。恥ずかしながら、私自身の仕事もその連続ですし、本連載についてもそのような日々の連続です。それでは、どうすれば創造的にアイディアを生み出すことができるのでしょうか。一人で悩んでいるとき「突然、アイディアが天から降ってきたら良いのに」と思うことは、私も多々ありますが、残念ながら、現実にはそのようなことは起きません。

ブレーンストーミング、通称「ブレスト」はその悩みを解決してくれる手法の一つです。ブレストは1930年代の後半にアメリカの大手広告代理店にて副社長であったアレックス・フェイクニー・オズボーン氏が考案した「集団で行う発想法」の一つです。集団で、お互いのアイディアの非難をすることなく、自由にアイディアを出し合うことで、お互いの脳(ブレーン)を刺激し合い、アイディアをさらに誘発し、友好的に創造し、そして昇華させていくことが、この考え方の基本になっています。考案されて以来、アメリカや日本だけでなく、全世界的に活用されており、アイディア創造の王道ともいえる手法です。

ブレストは80年以上の長い歳月にわたり活用されていますので、具体的な手順については、様々な考え方があります。しかし、ブレストの根底にある考え方はシンプルです。次回はそのシンプルな原理原則を振り返るところからスタートしつつ、難しく考えてしまいがちな「問い」の設定について、考えていきます。

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