無言のブレスト「ブレインライティング」

加藤滋樹のつぶやき、「人づくり×マーケティング」

 梅雨前線が本格化、日本各地で大雨による水害が起きております。静岡県熱海市や広島県の状況が気になるところです。コロナ禍の問題でもつくづくと思うのですが、日々の生活が健康で平凡安泰に暮らせるということは、本当に運が良く、また様々な方々のお陰であると感謝しています。

 さて、参加者の叡智を集めアイディアを昇華していくブレーンストーミング。この有益な手法を活用しようと、いくら私たちリーダーが頑張ってファシリテーションをしたとしても、どうしても行き詰まることもあります。そこで、今回からは、私自身の体験も振り返りながら、ブレストが困難に陥ったときの対処法や発想の転換について考えて参ります。

 ブレストには、アイディアを出していくための四つのルールがあることを、以前、解説しました。それは「批判しない」「自由奔放」「質よりも量」「他の人に便乗すること」です。しかし、ブレストの現場では、なかなかアイディアが出てこなかったり、出たとしても特定の人からのアイディアがほとんどで、発言をする人としない人が極端に分かれてしまうことがあります。「批判しない」というルールがあるものの「自分のアイディアが周囲にどう評価されるか」ということが気になってしまい、思い切ったアイディアを口に出すことを躊躇してしまうのです。

 そんな時に役に立つ発想の転換があります。それは、「口に出す」ことから、先に「紙に書く」というものです。

 旧西ドイツの著名な経営コンサルタントであったホリゲル氏は、ブレストから派生したブレインライティングという手法を考案しました。ライティングとあるように、アイディアを書くことに主眼をおいた手法です。「参加者は6人」「1ラウンドで3つのアイディアを考える」「1ラウンドは5分」という3つのルールがあり、別名「635法」ともよばれています。1ラウンドで6人×3アイディアなので18のアイディア、30分間でその6倍の108のアイディアを生み出すことができます。

ブレストはアイディアを発言していくものですが、ブレインライティングは無言で書いていくことができます。声に出して陽気に取り組まなくても済むので、ドイツの人たちの国民性に合っていたといわれています。どちらかというと、シャイで自己主張が苦手な日本人にも向いている発想法ともいえます。

 次回はこのブレインライティングの具体的な取り組み方について紹介していきます。

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