過剰な承認欲求「自分にもそういう傾向があると俯瞰してみる」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

一年も早いもので、師走に入りました。

 前回からは、過剰な承認欲求が現れる具体的な現象について、その傾向や特徴を取り上げています。前回は一つ目として、「他者からの評価を気にしすぎてしまうこと」について述べました。

 二つめは、自分ばかりが話してしまい、相手の話が聞けないという傾向です。承認欲求が強い人は、「自分の話を聞いて欲しい」という欲求が強いため、会話をするときに相手の話を聞くよりも、自分が話すほうが多くなります。ときには相手の話に興味をもたず、自分ばかり話す人もいます。また、相手が興味あることを提供しようというよりは、自分の話したいことを話すという傾向もあります。

 三つめは、否定されると怒ったり、否定自体を恐れるという傾向です。「自分の考えを認めて欲しい。肯定して欲しい」という心理も承認欲求の特徴です。また、肯定の裏側には「否定されたくない」という欲求もあります。そのため自分の考えが否定されると強い悲しみや憤りを感じたり、否定されること自体を強く恐れ、過剰に反論したり、逆に極力意見を言わない人もいます。

 四つめは不平不満や愚痴が多いという傾向です。承認欲求が強い人は、自分の苦しみや苦労を相手に伝えたくなってしまいます。上司には不平不満を言い、同僚や部下、家族や友人には愚痴を言います。自分の不平不満や愚痴に相手が共感してもらえると喜びを感じ、相手が理解してくれないと怒りや悲しみを感じます。また、苦労に対するねぎらいの言葉をかけてくれることを期待して、「苦労アピール」をする傾向もあります。

 五つめは、過剰な表現が多いという傾向です。承認欲求が強い人は高く評価されたいあまり、実績や能力について過大に表現する特徴があります。事実よりも「盛った表現」です。また、これは企業経営にとっては危ないことなのですが、できないことやできない約束でも、その場での賞賛を期待するあまり「できます」と言ってしまうことがあります。いわゆる「空手形」です。また、自分の発言に重要性を持たせるため、「みんなそういっている」「絶対こうだ」など、過剰な表現を使うことが多くなりがちです。

 まだまだケースはたくさんありますので、続きは次回に譲りますが、ここまでで重要なことは、「自分にもそういう傾向がある」ということを理解しておく、ぐっとこらえて自分を俯瞰してみて「大丈夫かな」という目で見るということになります。

 

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