人づくりとマーケティングの視点からコーチングを考える、「相手の話を否定しない」ということ

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

二十四節気でいうところの白露を過ぎ、ようやく残暑も和らぎ、朝方の野草にしらつゆが宿る季節となりました。過ごしやすい秋が近づいていることを感じます。

さて、今までコーチングを人づくりとマーケティングの観点から紐解いてきています。とくに、前回は受け取る側である私たちの三つの心構えとして、一番目の「耳・目・心で聴く」と二番目の「相手の話を遮らない」​​ということをお伝えしました

今日は「相手の話を遮らない」ことの続きのエピソードから始めます。話すことが好きな人にありがちな光景として、相手が話している時に、自分の関心があるテーマになると、ついつい相手の話題をとってしまったり、自分の立場の話題に路線変更したりしてしまい、自分が話す側に回ってしまうことがあります。当人は話を盛り上げていくために「よかれ」と思ってやっていることの場合がほとんどだとは思うのですが、話題を取られてしまった側は良い気はしません。やはり、相手の話を遮らないという点で慎むべき行為といえます。

次に、三番目の心構えとしては、「相手の話を否定しない」ということです。一通り話が聞けても、その後の対応が悪いとそれまでの頑張りが台無しです。注意すべき悪い対応とは、相手の話を否定してしまうことです。さすがに私たち聴き手側が頭ごなしに否定をするということは無いと思うのですが、実際は、部分部分の意識していない言葉の端々で相手の話を否定していることはないでしょうか。具体的には、人の話を聞いた後に「でも」「だって」「どうせ」「だけど」など母音のローマ字”D”で始まる言葉を反射的に使ってしまいがちな人は要注意です。恐らく、当の本人は意識をしていないのでしょうが、話をしている方は「自分の意見を否定された」と感じ、受け取ってしまいます。そして、賢明な読者の方はご経験がお有りになるかも知れませんが、毎回のように否定的な話をする相手とは、物事が進まない、モチベーションが上がらない、未来を想像できないと感じてはしまい、誰でも話したくなくなてしまうものです。

ここまでは受けて側、聴き手側の三つの心構えとして、「耳・目・心で聴く」「相手の話を遮らない」「相手の話を否定しない」ということを紹介してきました。私も含めてですが、「悪気は無いがやってしまった」という経験は無いでしょうか。是非とも意識して相手の気持ちを受け取っていきたいものです。

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