「そうか君、素人か、そらええな」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

弊社の中国・九州地方の営業拠点のある福岡県北九州市に来ております(この原稿は6月10日に書いています)。当地の営業所には、リーダーであるNさんの好きな言葉として、松下幸之助さんの揮毫​​による「素直」という文字が掲げられています。

素直という言葉は、簡単なようで本当に奥深いものです。前回紹介をしました、天地自然の理法というものを理解するにも素直な心が肝心となります。松下翁も「人が成功するために必要な資質が1つだけあるとすればそれは素直さだ」と仰っています。​​

圧倒的な変化が短期間に起こる現代にあって、自分の今までの知見や経験があっという間に陳腐化してしまうことは、どうしようもない事実です。会社を発展させていくためには、変化をしていくことが欠かせません。変化は、現在の私たちが知っている知識から起きることもありますが、やはり、知らないことから生まれることのほうが多いものです。

 「自分の知らないことを知る」ということが、変化をしていくために必要不可欠です。

そこで、もし素直さというものが無いならば、「誰かから教えてもらおう」という心持ちにならないかもしれません。自分より年上だったり、成功している経営者からならば話を聞くかもしれませんが、自分より知見が無い人や年下の場合はどうでしょうか。素直に話を聞き、本当に教えてもらおう、アイデアを得て改善を図ろうという気持ちを持てるでしょうか。

しかし、実際は未来に向かって私たちの組織を変容させていていくためには、従来の考え方に染まっていない専門性の無い人、若い人のほうが有効かもしれません。

「そうか君、素人か、そらええな」

松下翁の有名なことばです。普通なら「経験が無い。だから出来ない」と考えることが当たり前です。しかし、松下翁は、新しい時代を創りたかったのであり、素人であることはむしろ良いことだったのです。このことばは、新たな考えを職場や仕事で生かすも殺すも、自分自身の考え方、そして心持ち次第であることを教えてくれます。

自分がどんな想いで仕事に向かっているのか、人生に立ち向かっているのかは、順調な時には誰にもわからないし、気づくこともできません。その根底となる一念は、自分の岐路が訪れるようになると、水面が下がるようになり、その心持ちが表出してきます。いざという時のためにも、普段から素直な心を持ち続けることが大切といえます。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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