批判をうけたとき「自分の思い込みを理解するチャンス」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

先週は春めいてきたと申し上げましたが、一転し再び寒い日々が続いております。

 さて、前回の拙稿では、事実と感情を切り分けて考えることは生きていく上での余白、言い換えれば余裕をもつことにつながるということをお伝えしました。

 今回は、事実と感情を切り分けるために、私が感じているアイディアをとり上げてみたいと思います。ご参考になりましたら幸いです。

 一つ目は、何かあったら「一呼吸おいて、事実を抽出する」ということです。

 たとえば、お客様先への出張を検討しているとき、「そんな出張に経費を無駄遣いして、オンラインでできるのではないか。もったいない」という批判を誰かに言われたとします。

 もちろん、感情がざわつくことになりますが、その反応がひと段落したら事実と反応を分けて考えてみます。

 事実

・お客様に直接会う

・電車や飛行機に乗る。ホテルに泊まる

・経費がもったいないと言われた

 反応

・そんなことをいわれたくない

・無駄かもしれない

・価値はあるだろう

 同じ事象であっても出てくる反応は様々です。気をつけていきたいことは、出てきた反応である感情に良い悪いというものはないということです。したがって、自分を責めたり、逆に見て見ぬふりをしたり、気づかないふりをする必要もありません。自分が何に反応しているかをそっと認識し、その次に事実に対しての反応を掘り下げていきます。

 たとえば、「そんなことをいわれたくない」については、実は「認められたい」「評価されていない」「干渉されたくない」ということが起因しているかもしれません。

 「無駄かもしれない」は、自分の判断を他者の評価で変えてしまう傾向があるかもしれませんし、お金をつかうこと自体に抵抗感があるのかもしれません。

 なぜ自分が認められたいのか。なぜ自分の判断に自信がないのか。自分自身に問いかけていくチャンスにつながっていきます。

 結果としては、「まわりの人には、自分を応援して欲しいと願っている」「私は自由を大事にしたい」「他人の評価が気になる」といったような、自分の欲求や思い込み、大事にしている精神性を垣間見て理解していくことに繋がっていきます。

 自分の傾向に気づくと周りへの対応が変わってきます。相手の思い込みを理解し、理解されていくためには、何よりもまず自分の思い込みに対する理解が先決といえます。

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