事実と感情を切り分ける「人生の余白を持つことができる」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

今週から急に春めいた日々になってきました。このまま春になってしまうのか、また冬の天気に戻るのか。温暖化の影響も心配です。

 事実と感情を切り分ける技術について考えています。前回は、事実は誰にでも共通であっても、反応は人によって異なり、その反応が行動につながり人間関係の良し悪しに結びついていくことを述べました。

 今回は、事実と感情を切り分ける技術を身につけた場合のメリットを大きく四つにわけて考えてみたいと思います。

 一つ目は、当然ではありますが何よりも信頼されるということです。事実と感情を冷静に切り分け、論理的かつ丁寧な考え方や話し方、それにもとづく適切な行動をとる人は信頼されます。

 二つ目は、人間関係のトラブルの減少です。事実と感情を切り分けることで言動が変わってきます。言動を起こす前に冷静になる習慣ができて、感情的な行動が減ります。相手に不必要に攻撃的な反応をしてしまったり、変に落ち込んでしまって周囲に気を遣わせるような、不穏な空気で周りを巻き込んでしまう原因を少なくすることになります。

 三つ目は、冷静に意見を伝えることができるということです。事実と感情を切り分けて、冷静に考えることができるということは、自分を卑下して発言することもなく、また逆に大きく見せたいという欲求も抑えることができます。だからこそ、相手に対して適切に「私にはこういう意見がある」と伝えられやすい気持ちになります。

 逆の場合に見られる表現が「察して」というものです。当然ではありますが、人それぞれに考え方は違うので、相手が自分と同様に「察して」くれることは絶対にありません。下手(ルビ「したて」)にでたり、大きく見せたりすることなく、適切に意見を発することができるという技術は、自分にも周りの人たちにも良い影響を与えます。

 最後の四つ目は、生きていく上での幸福度が上がるということです。以上で述べてきたように、精神的に安定をしてきますので、感情の波のアップダウンが減ります。その分、新しいことを考えたり実践したり、好きなことに時間を使えるようになります。誰の言葉かは記録がのこっていないのですが、「余白こそが豊かな人生を実現する」という名言を聞いたことがあります。ポジティブで何か新しいことをはじめるための、余白の時間につながります。

 生きていく上での余白。言い換えれば余裕をもつというためにも、事実と感情を切り分けるということは大切といえます。

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