一段上の立場で考える「自己実現を図る生き方」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

「社長になったつもりで考えてみる」

 何度か取り上げている仮説と検証にも関連することなのですが、視野を広げて物事を見て俯瞰するということは重要なことです。
 私たちは自分の目が届くところ、自分の関係する領域だけでしか物事を見ていないことが多々あります。しかし、課題を見つけ、仮説と検証を考えていくことにおいては、普段見ていることだけではない、見えない部分の物事も見ていくことが必要になってきます。

 私たちが目にしている景色であっても、高台に登ると普段見ている景色とは違ったものが見えます。同じように、物事も一段上に立つと見えるもの、理解できるものが違ってきます。つまり、遠くまで見ること、視野を拡大することができます。役職が上の立場の人物が的確な指示ができることが多いのは、このように立ち位置が違うため、見てる世界が広いことが理由です。

 このように、一段上の目線で過ごしていると、日頃は気がつかないことがわかってきます。視野が広がっただけ、全体から物事を見ることができます。目先のことだけではなく、少し先のことまで見通しながら物事を見ることになります。そうなることで視座が変わり、課題を見つけやすくなったり、物事の重要性が広い視野で判断できるようになったりします。

 経営者ではなくとも、どの階層であったとしてもリーダーとしての役割を得たならば、自分で考えることが要請されるようになります。課題を発見していくことも、仮説を立てて検証していくことも、自らの責任で行っていかなくてはなりません。全体像の把握はもちろんのこと、現状と得たい結果との差についても認識していかなければなりません。

 物事を俯瞰し、自分で課題を設定することができるようになることは、自己実現を図っていくうえでも大きな足がかりとなります。今まで指示に従うことでよしとされていた人が、自立していくためのきっかけにもなります。一段上の立場に立って考えていくことは簡単ではありませんが、貴重なことを教えてくれます。

 以上のように、「社長になったつもりで考えてみる」ということは、自分がリーダーとなって物事を仕切っていくための大きな訓練となります。経営者であったとしても、チームのリーダーであったとしても、まだ入ったばかりの平社員であったとしても、普段から高い視野で物事を見て考えていくことを意識し、自らの責任で自己実現を促していく生き方をしていきたいものです。

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