正しい解決策の立案には時間がかかる

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

仮説と検証について複数回にわたり取り上げています。
今回は、実際に検証を行っていく作業について詳しく考えてみたいと思います。

 はじめに伝えたいこととして、何よりも大切なことは仮説を実行した際に、そのまま結果を放置にせずに検証を行うということです。その仮説が合っているかということを、結果から振り返って調べるということです。仮説が正しいならば、もちろんそれで構わないですし、もし、間違っていると判断されるならば、更なる良い仮説を用意する必要があります。

 次に大切になっていくことが、仮説を検証するための方法になります。検証するために大切なことは、必要最小限の要素だけで良いので、結論が見られたら早急に検証を行うということです。

 この前提のもと、実施した仮説から生まれた結論の検証方法について、分解してみると次の四つが考えられます。

 一、 比較・差異による判断
 結果が複数でてきた場合の比較を行い、その違いがどこにあるかを考えます。
 二、時系列による判断
 時間を経るごとに結果がどのように変化していったのかに注目します。経営はしばしばマラソンに例えられるように、長い期間でみることによって、気づかなかった部分が浮かび上がることがあります。
 三、分布による判断
 たとえば労働投入量と売上高の推移のように、二つの要素について相関関係があるのかないのかを調べます。もし相関関係があるのならば、異常な結果や異常な数値が出ていないかについても注目します。
 四、因数分解による判断
 ロジカルシンキングなどを用いて結果が生まれてくるまでの過程を要素として分解していき、本当に深いところにある原因は何かを探求します。
 
 最後に、仮説検証の要点を改めてまとめると、以下のようになります。
 ・常にアンテナを立て、あらゆることに論点を設定し、仮説を考えてみる
 ・ロジカルシンキングやクリティカルシンキングを用いて「なぜ」「なぜ」を何度も繰り返して、真因を探求する
 ・机上の空論では意味がない。実際に仮説を実行する。
 ・自分の頭で考えて、仮説を立て実行してみる。

 課題を設定し時間をかけてゼロイチで解決策を緻密に立案していくことは、結論にたどりつくまでに時間がかかります。
 「聖賢の尊ぶ所は、議論に在らずして、事業に在り」という吉田松陰の言葉の引用にあるように、なによりも実施を尊ぶことで、仮説検証を行っていきたいものです。

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