大雪の時期を過ぎ、山の峰々に雪化粧が施されるニュースを見るようになりました。本格的な冬が到来しつつあります。年末に向け、お正月の準備も始まって、何かとあわただしい時期をお過ごしのことではないでしょうか。

さて、私たちの会社では月例で有志による読書会を開催しております。また、先日はお取引先の方々とも同じく読書会を開催しました。そこでは、営業力や制度などいわゆるスキルを学ぶのではなく、参加者自身の特性、仕事や家庭、そして人生に向かっていくための姿勢、すなわち人間力を高めることを目的としています。その話題の中で、参加者自身がどういう思いで仕事や人生に立ち向かっているか、志について触れられていた発表がいくつかありました。私自身も大きく考えさせられることがありました。今回はそれらを振り返りながら、志とは何かについて、改めて考えていきたいと思います。

志という言葉は多くの場面で聞かれることがあります。しかし、その意味するところを明快に述べようと思うと、何となく概念的に理解はできていても、上手く誰もが腹落ちするような形で表現することは難しいのではないでしょうか。そんなとき、私は伝記作家であられた故・小島直記先生の言葉を思い出します。小島先生は志の定義として、「志には三つの条件がある」と表現されました。

一つ目は、人生にテーマを持つこと。人生のテーマとは私たちが人生を終える瞬間まで追い求めるテーマのことです。立場や職場がどうかということではなく、最後の瞬間まで何のために生きていくか、という自分の人生のテーマです。

二つ目は、生きる原理原則を持つこと。この一点だけは譲れないという、自分が生きていく上での原理原則を持つことです。私たち人間の肉体には背骨があります。その背骨が曲がっていると内臓に負担が及び、様々な病気にかかります。そして、人間には肉体の背骨と同時にもう一本背骨が必要であり、それは精神・心の背骨、まさに生きる原理原則です。

僭越ながら私の例でいいますと、会社の理念にもなっているの「日本で一番幸せを感じられる会社をつくる」という志がございます。これが志の三つの条件の一つ目、最後まで追い求めたい私の人生のテーマです。そして、二つ目の条件である生きる原理原則についても、何か決断に困ったときはこの理念に基づいて判断することを常々意識しています。

三つ目の条件である言行一致については、次回、紹介を致します。

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