「人間には無限の可能性がある」「答えは相手の中にある」〜未来質問と肯定質問〜

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

 「人間には無限の可能性がある」
 「答えは相手の中にある」

人づくりとマーケティングの視点からのコーチングについて解説をしております。前回は、相手に質問を投げかけるときの三つの手法の一つとして、「拡大質問」を紹介しました。そして今回は「未来質問」と「肯定質問」を取り上げていきます。

 未来質問は何かといいますと、未来を表す言葉が含まれた質問のことです。例えば、「どうしたら、その問題が解決できると思いますか?」などです。一方で対義となる過去質問は過去を表す言葉が含まれた質問です。具体的には「なぜ、その問題を解決できなかったのですか?」といったものが該当します。

 「結局は同じではないか」と思われるかもしれませんが、実は未来質問と過去質問は全く性質の異なるものです。なぜなら、過去の事実は当然変えられないものですが、未来は可能性に満ちているからです。

 自分たちが何かトラブルを起こしてしまった場合、上司から「どうしたら、その問題を解決できるだろうか?」と聞かれた場合と、「なぜ、その問題を解決できなかったのか?」と聞かれた場合、私たちの気持ちにどのような違いがあるでしょうか。恐らく、前者は前向きな気持ちが仲間と共有できるのではいでしょうか。相手の能力を最大限に引き出していくためには、意識を過去ではなく未来に向け、可能性に気づかせてあげる手助けが必要となります。

 次の肯定質問は、「ない、という否定語を含まない質問」のことです。一方で対義語となる否定質問とは「ない、という否定語を含んだ質問」となります。例えば、肯定質問は、「どうしたらうまくいくのか?」となり、否定質問は「どうして上手くいかないのか?」という質問となります。未来質問・過去質問と同じように少しの表現の違いですが、肯定質問と否定質問を比べてみると、どのように感じられるでしょうか。

 否定的なことを聞かれると、どうしてもそのことが頭の片隅から離れなくなり、思考が萎縮してしまいます。否定質問は責任追求がされており後ろ向きな印象を受けますが、肯定質問からは前向きな印象が伝わってくるのではないでしょうか。

 私たちリーダーとしては、相手の可能性を最大限に引き出し、チームの生産性を上げていくためにも、拡大質問・未来質問・肯定質問を適切に用いてポジティブに思考を広げる手助けをしていくことが重要といえます。

関連記事一覧