素直な気持ちで顧客を理解し続ける

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回の拙稿では素直さとマーケティングについて書きました。「お客様や市場に対して熱い想いを持って訴えること」と「素直な心で冷静に状況を分析し理解する客観性」、相反する二つの資質を持ち合わせることが大切であると書きました。その一方で、私も反省するところが大きいのですが、若い人達、普段現場で汗を流している人たちに比べて、管理職や経営者層のほうが、この冷静さと客観性に乏しい人が多いように見受けられます​​。

そこで、本日は、リーダーが大切にすべきマーケティングにおける現場主義について考えてみたいと思います。

現場主義というものは「直接顧客に会って話を聞くこと」と「顧客の行動を観察すること」の二つの行動に分類されます。マーケティングの観点から、この二つの行動を具体化すると、「現場に出て営業に同行すること」「現場に出て既存顧客にインタビューすること」「現場に出て潜在顧客や見込み客にインタビューすること」になります。この三つを日々の仕事の中で実践することで、顧客が何を求めているか、考えている方向性は顧客が求めていることとズレていないかを確認することができます。

ところで、戦略を考える時の代表的な枠組みに「3C分析」があります。この3Cとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合​​)であり、この3つの分析を日々の仕事で実践し続けることで、顧客が何を求めているのか、考えている戦略は顧客が求めていることと離れていないかを確認することができます。この中で、私が大切だと考えるものは、当然、Customer(顧客)です。顧客が見えていれば、顧客が考えている行動は何か、顧客が評価している当社の強みは何かなど、顧客を主語とした上で戦略を考えることができます。当たり前といえは当たり前ですが、現場に出て顧客に会い、話を聞き、観察をするということが習慣化できていれば、独りよがりのマーケティング戦略にはなりにくいものです。

以上のことから、マーケティングの観点からリーダーに求められる資質というものは、マイクロマネジメントであったり、現場主義を取り違えたプレイングマネージャーであったりするのではなく、「素直な気持ちで顧客を理解し続ける」ということに尽きるのではないでしょうか。

頭でっかちに探求ばかりを深めず、改めて「迷ったら現場に出る」ということを大切にしたいものです。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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