A+B=C・・・アイデアを生み出す方程式

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

雨が百種の穀物を生じさせる時期を意味する「穀雨」の季節となりました。恵みの雨がしっとりと降り注ぐ頃となります。農業を行っている人たちは、昔から穀雨は田植えの準備をする目安と捉えていたそうです。

さて、先日ある製造業の経営者から補助金申請に関連して新規事業のアイデアに関するご相談を受けました。事業内容は守秘義務がありますので本稿では伏せますが、その時に用いた考え方、オンリーワンの新規事業を生み出す方法、すなわちアイデアを生み出す方法についてご紹介をしたいと思います。

皆様はアメリカの実業家、ジェームス・ウェブ・ヤングが1940年に出版した『アイデアのつくり方』という書籍をご存知でしょうか。80年以上も前に書かれたにも関わらず、今なおアイデアの発想法として活用されている世界的ベストセラーです。本書では、良いアイデアを生み出すには、才能よりも正しい過程が必要であり、再現が可能で人にも伝えられる原理原則があるということを示してくれています。IT化が進む現代においては、誰かが思いついたアイデアを実行する管理能力よりも、ゼロイチでアイデアを生み出す能力が高い人材の方が価値が高くなっていくため、本書の存在は今後も光り続けると思われます。

そもそも、著者であるヤングが何者かといいますと、アメリカの大手広告代理店の常任最高顧問を勤めた方です。ある日、ヤングは若手の社員に「どうして貴方はアイデアを生み出すことができるのか」と問われます。その質問をきっかけに、ヤングはアイデアを生み出す工程を考えることになるのですが、そもそも彼はアイデアを生み出すための公式が存在することを、膨大な実績から得ていました。また、アイデアが生まれるには一定かつ明確な過程があること、それらを生み出す心理状況は制御できる技術があること、そしてその技術は学ぶことができることを知っていました。

誤解を恐れずに、私がこの本を端的に要約するならば、「アイデアはA+B=Cという方程式により生まれる」となります。既に存在する優れたAという技術とBという技術を組み合わせると、新しいアイデアCが生まれるということです。AやBは知識や人材と置き換えることもできます。闇雲に悩むのか、この方程式を知っていて考えるのかどうかで、価値ある物事を生み出せるかどうかは変わってきます。次回は本書をもとに、アイデアの生み出し方を深掘りしていきます。

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