PEST分析/国内事業向けの問い

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回の拙稿では、経営学者でマーケティング研究の第一人者であるフィリップ・コトラー博士が提唱したPEST分析について取り上げました。本日は、PEST分析について掘り下げて考えていきます。

PEST分析は、具体的には下記の図に示した4つの要因から、経営環境の変化や影響を把握・分析します。​​

この分析を行うことで、どの分野にどのようにして参入するか、将来生じるであろうリスクに備えることができ、戦略を柔軟に考えることができます。またPEST分析は国内のみならず、海外進出の際にも活用できるものなので、進出する国にどんな可能性があるのか、どんか危険性が潜んでいるのかを知り、共通認識を得ていくためには有効なフレームワークなのです。

それでは、はじめにPEST分析を実際に使うイメージを、日本国内における事業を例にしてみていきます。

P:Politics(政治的要因)
・増税や減税における駆け込み需要や買い控え、その反動はどの程度か
・経済対策や補助金は自社への追い風となるか
・近隣諸国との関係性が輸出入にどの程度影響を与えるか
・法改正や規制緩和が自社に及ぼす影響はどの程度か

E:Economy(経済的要因)
・消費者物価指数はどの程度上がっているのか。
・ベアはどの程度になるのか。
・円安はどの程度のインパクトがあるのか。
・原材料費の上昇は価格転嫁できるか

S:Society(社会的要因)
・単身世帯が増えているが、少量の商品の方がよく売れるのか
・自社の商品やサービスに親和性が高い年代や性別、居住地はどこか
・少子化が進むことにより10年後、現在の事業は存続できるか
・晩婚化で、どんなビジネスチャンスがあるのか
・SDGsやエコ思考などライフスタイルの変化は、自社の事業にとってどうか

T:Technology(技術的要因)
・クラウド化することは、自社にとってどんなメリットがあるか
・SNSを利用したプロモーションは有効か
・アプリ開発をする必要はないか
・在宅ワークの導入は可能か

質問事項は一例ですが、これだけでも将来の経営環境に対するイメージが膨らむのではないでしょうか。次回は海外展開における「問い」について考えていきます。

当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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