一歩先んじるための方位磁針

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

先週に続き、「日に新た」を深く考える日々が続いています。変化し続ける「日に新た」と不変の経営理念。変化と不変との対比にも見えますが、相通じることはともに「一歩先んじるということ」ではないかと考える日々です。

正しい経営理念はいつの時代にも通用するものといえます。経営は、究極的には人間が人間自体の幸せを目指して行うものであり、私たちの本質がいつの時代においても変化しないものである以上、経営理念も変化しないと考えられます。

例えば、私たちの会社には「日本でいちばん幸せを感じられる会社をつくる」という経営理念があります。しかし、その経営理念を現地現場での実践に表していくとき、その時々の方針や施策といったものは、常に同じで不変というものではありません。むしろ、その時々の情勢によって変わっていくものでなければなりません。まさに「日に新た」でなくてはなりません。

私たちが発展していくためには、社会の変化に適応し、一歩先んじていく必要があります。そのためには、前回も引用したように「昨日より今日、今日より明日と、常により良きものを生み出していくことである」ということが大切です。昨日は良かったことが、今日も明日も通用するとは全く限りません。私たちも直面することが多々あるのですが、今まで良かったと思っていた仕事が社会の変化により、すでに好ましくないことになっているということが往々にあります。

そう考えてみると、改めて、行動の指針となる正しい経営理念とはどういったものなのかという問いに行き着きます。それは、社会の真理、天地自然の理法に従い、正しい人生観に根差したものでなければならず、汗を流した現場体験や懸命である種命懸けな思索により創造されるものであると松下幸之助は伝えています。経営理念が各々の経営者によって異なるというのは、経営者の体験から育まれた人生観に基づいている証左ともいえます。

リーダーは常に孤独であり、孤独ながらも果敢な決断を強いられる場面があります。働く人たちの行く末もその判断によって決まってしまうことさえあります。であるからこそ、自らが迷った時に初心に立ち返るための心の拠り所が必要です。

明確な経営理念があるからこそ経営者としての責任を果たすことができ、その存在が「一歩先んじる」ために幾多の困難を乗り越えていく方位磁針となってくれるともいえます。

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