価値を伝えるユーメッセージ

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

師走に入りました。寒い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、前回から広告やお客様へのプレゼンテーションなど、相手の視覚に訴えるものにおける「アイメッセージ」と「ユーメッセージ」の違いについてご紹介をしております。

前回、例として取り上げたように、新製品のデジタルビデオカメラをご紹介するコピーの場合に、「50倍のズームができます」「2000万画素で綺麗な撮影ができます」とお客様に訴えた場合、主語は「私たちの開発したビデオカメラは」となりアイ・メッセージに判別されます。主語が、「私は」「弊社は」「私たちの商品は」といった自分たち目線のアイ・メッセージになってしまうと、機能性やスペック(仕様)は情報としては伝わったとしても、ベネフィットを十分に伝えられたとはいえません。

次に、「遠くにいるお子さんの顔をアップにしたままで撮影できます」「自然で繊細な表情を映像として残すことができます」と先ほどのコピーを書き換えた場合の印象はいかがでしょうか。先ほどのコピーに比べますと、どのようなベネフィットが得られるかがわかりやすくなってきたのではないでしょうか。

これらに主語を書き加えてみると、「あなたは、遠くにいるお子さんの顔をアップにしたままで撮影できます」「あなたは、自然で繊細な表情を映像として残すことができます」となります。すなわち、主語が「あなた」になっており、ユーメッセージとして判別できます。

このように、コピーはユー・メッセージの視点で書いていくと商品を使用しているイメージが想像でき、ベネフィットが伝わりやすくなります。

前回申し上げましたように、広告やプレゼンテーションにおいてお客様に印象を与えたい場合のポイントは二つ、すなわちベネフィットとユーメッセージとなります。これらは、プロダクトアウトの視点ではなく、マーケットインの視点です。すなわち、使っていただく、選び抜いていただく相手側の視点にたち、商品を使うことによる価値を表現していくことが大切となります。

商品を購入していただくお客様やプレゼーテーションを聞いていただく聴講者は、商品を買ったり導入したりする場合に、特徴や機能などのスペックを把握するとともに、課題や悩みを解決できるかどうかについて頭の中でイメージしています。

次回は、どのようにしてユーメッセージを書いていくかについて、掘り下げて考えていきます。​​

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