決してあきらめない。成功するまで続けていく。そうすれば、やがては必ず成功する

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング), 未分類

 先週のコラムでは「道に志し、徳に拠り、仁に依り、藝に遊ぶ」という論語の一節や、稲盛和夫氏の「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」といった人間性を醸成していく原理原則について書きました。

 このことと同じくらいかそれ以上に大切なことは、何よりも「続ける」ということであり、「粘り強さ」ともいえるものです。論語に「子路(ルビ「しろ」)、政(ルビ「まつりごと」)を問う。子曰わく、これに先んじ、これを労す。倦(ルビ「う」)むこと無かれ。」という一節があります。これは、高名な弟子であった子路が政治の要諦について孔子に尋ねたもので、孔子は「率先して行動し、他人をいたわること。途中で飽きて投げ出したりしてはいけないこと」と伝えています。同じように松下幸之助が成功の秘訣について「決してあきらめない。成功するまで続けていく。そうすれば、やがては必ず成功するわけである」といったように、私たちリーダーは、何事をなすにせよ率先して判断・行動し、他人を労り、飽きたりして投げ出してはいけないということが大道といえます。

 次に、「粘り強さ」を構成する能力というものにも触れたいと思います。原理原則のもとに選択した計画が壁に突き当たったとします。といいますか計画というものは、最初から最後まで計画通りに行くことはまずありません。この時に、「予想した範囲内のことである」と割り切り、決して動じることなく、直ちに次の手を打ちつづけていくことが粘り強さを構成する重要な能力であるといえます。一つの戦術を実行に移す時に、事前にいくつもの副案を準備しておき、状況に応じて、即座に判断し柔軟に切り替えていくことは、リーダーにおいて大切な能力です。

 しかしながら、以上のことを頭では理解できても、変化の激しい現代においては、私自身も含めて的確かつ柔軟な切り替えを行うことができる人は少ないのではないでしょうか。状況判断ができない、過去の経緯や未練に引きずられる、世間体が邪魔をするなどの理由が考えられますが、結局のところは稲盛氏の引用にあるようにリーダー自身が「考え方」を日々正しく整えていくことが、「続ける」ということの原点ではないかと考えています。

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