スピード感が求められる現代においては重要なのは

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回は新規事業における困難に直面した際、それを天与のことと考え、いかに自らを高めていくきかっけとしていくかということを述べました。事業の伸長と自己実現という二軸を同時に実現していくことも、ロジカルシンキングの重要な役割といえます。

 さて、今週はロジカルシンキングにおける仮説に注目していきます。

 私がお伝えをしたいことは、「仮説を立てる」ということです。問題の解決策や新しいアイデアを出したいときに、あてずっぽうにあれこれと考えるのではなく、まずは仮説を立て、その仮説に向かって根拠を考え、根拠にもとづく事実を集めて展開していくことが大切です。
 物事を牽引していくリーダーにおいては、課題の設定も重要ですが、その課題に対して仮の答えとなる仮説を持つことも同じくらい重要です。しかしながら、仮説が間違ったままで実行段階に移行すると、ビジネスの現場で痛手を受けてしまうことにもなり得るので、やはりある程度の仮説検証は必要となります。

 たとえば、社業の拡大のために「○○という分野に進出すべきか」という論点があったとします。それが論点として上がる時点で、おそらく「○○という分野に進出することは、業績にプラスに寄与するだろう」という仮説があるものと推察されます。それを検証していくために、仮説が正しいのかどうかをしっかりと考えていくことになります。
 しかしながら、物事を好ましい方向に導いていく良い仮説が、何の努力もしていない人間に対し、いきなり天から降ってくることはまずありません。一般常識や正しい考え方を根底としつつ、日頃から業界や職場の情報などを正しく収集し、問題意識を持って物事をみているからこそ、いざというときに役にたつ仮説がひらめくことになります。加えて、その仮説の確実性を高めていく知識が、経営学であったりマーケティングであったりするものの知見です。先人の知見を活用することで、効率的かつ効果的に仮説に辿り着くことができます。

 最後に、PDCAと仮説の関係について述べたいと思います、PDCAのPは通常「プラン(計画)」というふうに理解されますが、私の解釈では、Pは仮説のことをいいます。仮説を立て(P)、実行し(D)、確認し(C)、改善を図る(A)。緻密な計画を立てることよりも、仮説を立案し、実行しながら修正を図っていくことが、スピード感が求められる現代においては重要なのではないでしょうか。

Business growth success achievement PDCA concept, step stair or ladder for planning development leadership and customer target group

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