「失敗とは、もう無理!とやめてしまうことである」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

H3見出しa

「正しい選択はどちらか」
 皆さまもつねに、選択と決断を求められることが多いのではないでしょうか。

 私たちの会社には、「私たちが歩む道は、個人・組織・社会の利益が一直線につながる道である」という価値観の指針があります。しかしながら、たとえこの指針が判断軸となっていたとしても、時々によって「取りうる選択がこの一直線になるのか、ならないのか」が分からないことがあります。といいますかそのような選択肢ばかりが訪れます。
 しかしながら、それでも否応なしに「選択に迫られる」ということは、私たち経営者の性でもあります。

 先週末、懇意の製造業の経営者の方とお会いしていた際に、高額な3Dプリンタを購入するかしないかで、相当悩んでおられ、延々と意見交換をしていました。悩む気持ちは理解できます。しかし、私がどちらかの判断を推薦し、それを選択した場合でも私が責任を取れる話ではありません。そこで、私からは「どちらを選択したとしても、判断を尊重し、応援したい」とお伝えしました。

 振り返ってみると、このような話は、至る所で発生しています。どちらの選択が正解かということは、現時点では全く分からないのです。取った選択により、直後には、「ああ、やってしまった!」と後悔し、苦しいことに巻き込まれる可能性はあります。しかしながら、くどいようですが、何らかの意思決定に携わる者は、常に「右か左か」といったどちらかを選択しなければならないことは、厳然たる事実です。

 ということは、結局はその選択を「将来振り返ってみたときに、正解だったな」と思い返せるように努力をしていくしかないな、というふうに思います。そして、その正解にしていくための行動力や熱意の源泉ともいうべきものが、私たちにとっては「個人・組織・社会の利益が一直線につながる」という、道へ向かっていく克己心になります。このことからも、どちらを選択しても「選択を正しくしていく努力を応援したい」と私は思うわけです。

 松下幸之助が「成功の要諦は成功するまで続けることである」という有名な言葉をのこしているように、取り得た選択が一時は「間違っていたかもしれない」と後悔をすることがあったとしても、それを正解にしていくような工夫を継続をしていくほかありません。
 「一回の失敗は、失敗とはいわない」「失敗とは、もう無理!とやめてしまうことである」というのは真理といえます。

関連記事一覧