影響を与える閾値(しきいち)を考えてみる

加藤滋樹のつぶやき、「人づくり×マーケティング」

閾値(しきいち)ということばをご存知でしょうか。

今回やコミュニティやマーケティングの分野において私自身が感覚として持っていることを取り上げたいと思います。

閾値とは状態が変化する限界値のことです。例えば水を温め続けると沸点の100度に達し、液体である水から気体である水蒸気へと状態が変化します。逆に冷やしていくと0度を境に、液体から固体である氷へと状態が変化します。各々その手前、99度であっても1度であってもどちらも水ですが、閾値である100度を超えると気体、0度を下回ると固体となります。 このように、状態の変化というものは徐々に起こるものではなく、閾値を超えた時に突然変化が起こります。

以上と同じことをビジネスの分野でも応用することができます。私の経験では、組織内のコミュニケーションやマーケティングなど、あらゆるコミュニティにおいては、「影響が4割を超えると状態が変化する」という目安があります。

例えば、出社したら自主的に掃除をしようという行動の場合、ある部署の4割のメンバーがこの習慣を行うようになると、部門全体が協力するようになります。また、組織の4割に情報が行き渡ると、全員に広がる傾向があります。こうしたコミュニティにおける行動変容や状態変化は、情報や接触回数の量に比例していくのではありません。閾値である4割を超えた途端に劇的な変化が訪れます。

マーケティングの観点でいうと、細分化し狙いを定め、立ち位置を決めたら「閾値を超えるまで徹底的にリソースを投入する」ことになります。ターゲットを定め、小さな括りの中で陣地を広げていくことです。100%を目指すのではなく、4割に影響を及ぼせば一気に拡大するので、自社が立ち位置を取りやすい4割を考えること重要です。大きな括りの中で4割を考えるのは大変ですが、細分化したフィールドでしたら然程難しいことはありません。

規模の小さな会社をターゲットとするならば、地域の商工会議所や商工会の名簿から構想することが有効かもしれません。中堅以上の企業を対象とするなら、業界団体や工業会の名簿から細分化とターゲティングをすることができます。いずれにしても、その4割から知名度と信用を得ることができれば、一気に市場が広がります。

「大きな市場、大きな変化を得るために、小さな4割からせめてみる」

このような発想をもって新たなチャレンジを考えてみてはいかがでしょうか。

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