出てきたアイディアの構造化

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

桜の花も満開から散り始めに移りつつあります。多くの会社では新年度を迎えられたのではないでしょうか。当然といえば当然なのですが、たとえコロナ禍であったとしても毎年同じように春が来ることを有り難く感じています。
 さて、前回までは会議や対話において「アイディアが思い浮かばないために発言が出ない」ときに活用する枠組みを変える技術、「リフレーミング」の方法について紹介しました。今回は、拡散した発言やアイディアを収束していくための手法について述べて参ります。
 拡散し多くなった項目を収束させるといっても、唐突に「・・・ということで良いですね」とファシリテーターがまとめてしまっては共感が得られません。参加者全員の合意形成を得るためには、各々のアイディアが合意形成において「どのように影響を与えていったのか」を納得してもらう必要があります。そのために行うべきことは、出てきたアイディアを「構造化」することです。
 構造化というと難しく聞こえてしまうのですが、要は「グループ分け」をすることが具体的な手法となります。板書した発言をファシリテーターを中心としながら全員で眺め、同じようなキーワードごとにグループ化してくのです。
 例えば、売上が苦戦している商品の問題点について議論していた場合に、「価格が高い」「品質の良さが伝わっていない」「競合他社の方が安い」「新規参入により競合他社が増えている」「営業パーソンの不足」「認知度不足」「市場が縮小」「営業パーソンが効率的に顧客を訪問できていない」というキーワードが出てきたとします。その場合、<コスト>グループは「価格が高い」「競合他社の方が安い」、<PR>グループは「品質の良さが伝わっていない」「認知度不足」、<マーケット>グループは「新規参入により競合他社が増えている」「市場が縮小」、<営業>グループは「営業パーソンの不足」「営業パーソンが効率的に顧客を訪問できていない」と分類することができます。
 このように、グループ分けをした後で、「皆さんから出たアイディアは、コスト・PR・マーケット・営業の4つのグループに分けることができると思いますが、よろしいでしょうか?」「また、4つのグループのうち皆さんが一番課題だと思われるグループはどれでしょうか?」と問いかけを行い、参加者の合意形成を図っていきます。
 次回は合意形成後の意思決定についてご案内していきます。

関連記事一覧