ブレーンストーミング、6つのステップ(3)

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

 梅雨空の本格化を感じる今日この頃です。皆様方はいかがお過ごしでしょうか。

 参加者の叡智をあつめ、自由闊達な議論の中からアイディアを昇華させていくブレーンストーミング。前回までに実施にあたっての6つのステップである「ルールとテーマの明示」「制約時間と目標の共有」「アイディアの積極的発言」「アイディアの見える化」「アイディアへの便乗」「アイディアの整理」のうちの、前回までに五番目の「アイディアへの便乗」まで開設をしました。

 今回は最後のステップである「アイディアの整理」の段階です。積極的な発言や便乗により、たくさんアイディアを出したら、それで「本日は終了。ありがとうございました」というわけにはいきません。ブレストではアイディアが拡散していきますので、出尽くした後にはホワイトボード上が散乱した状態となってしまいます。そのままの状態で終わってると、いざ主催者や決裁権者がアイディアの取捨選択を行おうと思ったときに大変な苦労することとなってしまいます。そのため、総仕上げとしてアイディアを整理する必要があります。

 具体的な方法は、ホワイトボード上に存在するアイディアのうち、「似た物どうし」を動かしてグループ化していきます。そのためにも、アイディアは直接ホワイトボードに書くことより、ポストイットに書いていくことをお勧めいたします。

 例えば、ビジネスマン向けのセミナーを企画した場合に、以下のようなアイディアが出たとします。

・口下手な人が身につけたい7つの技術
・転職市場で求められるキャリアアップ術
・1年間で100万円貯蓄術
・初心者のための株式投資
・部下をはじめて持った人が身につけるべき20の法則
・なぜあなたの話は伝わらないのか
・ビジネスマンのための質問力
・50歳までにマスター、定年後のお金のこと

 これらのアイディアは「キャリア」「コミュニケーション」「資産運用」という3グループに分類できます。このように整理をしておくことで、参加者は方向性としてどの分野が良いかの判断ができるようになります。

 以上、6つのステップを通じて集団でアイディアを考えていく手法を解説しました。ゼロから物事を生み出すことは大変ですがやりがいのある作業です。一人で頭を抱えるのではなく、新たなアイディアを確立していきたいものです。

 次回からは、私自身の体験も振り返りながらブレストの失敗例や対処法について考えていきます。

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