『致知』11月号「努力に勝る天才なし」/第16回社内木鶏会感想文(加藤優)
テーマ: かくて一流店を築いてきた 一流プロの仕事と人生の流儀(オーボンヴュータンオーナーシェフ河田勝彦氏、コード・ドールオーナーシェフ斉須政雄氏)
私は食べることが何よりも一番大好きだ。職人さんが厨房で忙しそうに動く姿、豪快で繊細な手捌きをみて、美しく盛り付けられる料理を口にするときはこれ以上ない幸せを感じる。先月も名古屋でなかなか予約が取れない割烹店に行けることになり、職人さんの姿や料理に感動した。
だから今回この記事を読んで職人さんの心が魂が知りたいと思ったので取り上げてみた。
フランス菓子、フランス料理の巨匠のお二人の会談。HPで検索して出てきた料理を拝見し、ため息がでた。文中にもあったが「自分の世界観」がしっかりと表現されているものだった。
若い頃、売れずに苦しいとき「流行っている商品を真似てはどうか」と問われた。しかし、「後追いは絶対流行らない。自分がつくりたいものだけをつくりたかった」と答えられた。売れることではなく、自分自身の信念をいかに大事にしているからこその言葉であり、「幸せなことに修行時代に夢見たことが実現できています」と仕事を天職にされている。
命のエネルギーをどう使うか、このお二人の生き様から伝わってきた。
「メモを取らず、家で反復練習をすること」
「この道に進むと決めたのは自分なのだから、覚悟を決めてやる」
「伝統を自分が伝えていきたい」
簡単には言えない言葉がいくつも出てきていた。
これらは、私の仕事にも通じるものがあり、より一層覚悟を決めて突き進むしかない。料理は人生だと私は学ばされた。どんな人生に仕上げていくのかは命のエネルギーの使い方次第だと改めて気づいた。