『アイデアのつくり方』を意識して取り入れる

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

日中は初夏の陽気を感じる季節となりました。しかし、朝夕はまだ肌寒い日々が続いています。寒暖差によって体調を崩さないように気をつけたいものです。

さて、前回の拙稿では、ジェームス・ウェブ・ヤングが1940年に出版した『アイデアのつくり方』という書籍の中から、アイデアが生まれ、実践されていくまでの五つの段階について述べました。

今回は、改めて私が本書を読み返した中で、必要であると感じた論点を三つ紹介してみたいと思います。

一つ目は、どれかをやるのではなく「全てをやる」ということです。本書にはアイデアを生み出す過程として「資料集め」「関係性の発見」「意識の外に置く」「緊張を解いて発見を待つ」「現場での活用し有効性を確認する」という五つの段階が示されています。ポイントは、この段階の全てが不可欠であるということです。一つ一つは困難なことはありませんが、全てを一貫して実施することに価値があります。

二つ目は、アイデアを出す人の資質を生かすために、考える力を要求されるということです。前述した五段階のうちの最初に、調査と思考を繰り返し続けることが要求されます。つまり、「考えることが自体が好きである」ということが前提になります。また、私も実際に取り組んで痛感したのですが、自分が今まで積み上げてきた物、すなわち仕事や仕事以外のこと、広範囲にわたる知的好奇心と知識の収集活動の結果がどれくらいあるのかという事実に直面するということになります。勿論、今までの自分より優れた発想にたどり着く可能性が高いことは確信を持って言えるのですが、そのもととなるものは「今ある二つのことの組み合わせ、すなわちA+B=C」です。つまり、組み合わせる原石には、自分が持っている知識や経験の質と量が問われていることになります。

最後に、この五つの段階が使える業種は、広告やマーケティングなどのアイデア展開に限らないということです。むしろ、地道な作業を繰り返す総務や製造部門にこそ有効です。今まで繰り返してきた地味であっても貴重な仕事において、全く新たな何かを組み合わせて仕事のやり方自体を見直し、効率性や生産性を上げていくことには、大きな価値があります。

全てをやる、考える力、あらゆる業種への汎用性。『アイデアのつくり方』が述べる五つの段階を日々の生活や仕事の現場に意識して取り入れることは、人生を豊かにしてくれる大きな意味を持ちます。

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