「​​結論から言うと」を口癖にするメリット

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回は、ロジカルシンキングのトレーニング方法として、思い込みや先入観を廃し、真因を探求して​​いくゼロベース思考を取り上げました。今回は、日々意識していきたいトレーニング方法として、「結論から話すこと」について取り上げていきます。

 「結論から話すこと」とは、その字のとおり結論から話をスタートし、その後に根拠や具体例、説明などを組み合わせて論理を補強していく手法です。結論を頂点としてその下に論理的展開を広げることで、ピラミッド構造のトップダウンアプローチの訓練ともなります。

 しかしながら、普段から意識して結論から話すことに慣れていない人は、少しハードルが高いのかもしれません。そういう方にお勧めの方法があります。それは、「​​結論から言うと」を口癖にするというものです。
 当たり前と言えば当たり前なのですが、「結論から言うと」と言えば、結論から言わざるを得なくなります。そして、結論から話を始めれば、その後には、理由などの結論を裏付けるエピソードを続けなくてはならなくなります。つまり、「結論から言うと」という言葉を発するだけで、強制的にロジカルシンキングの流れをスタートすることができるわけです。
 また、これは自分の中で思考をめぐらす際にも有効です。思考をめぐらす際には「結論から言うと」の代わりに「結論から書く」ことをスタートするのです。

 書くことにより、頭の中が整理されるというメリットもあります。頭の中が整理されるということは、論理的に話せるようになるということにもつながります。それでは、結論からスタートした場合には、どのような順番で書くことをスタートすれば良いのでしょうか。

 私がお勧めする順番は、「結論」「結論に至った理由を三点」「その理由を示すデータや証拠」という順番です。
 理由を三点にする手法は様々な場面で使われます。三つに絞る理由は、一つや二つにすると根拠に乏しい印象を与えてしまいますし、四つ以上の場合は相手が覚えきれなかったり論点がずれてしまう危険性があるからです。もし、理由がたくさん思い当たるような場合は、一旦、全部書くことにより見える化を図り、その後に優先順位や重要度が高いものを上位から三つ取り上げるのがベストです。
 「結論から言うと」を習慣にすることにより、毎回詳しいロジカルシンキングの手法を意識しなくても、論理的な構成を行うことができます。

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