ゼロ富士の経験から「何も無いところから作り上げる力」
少し前の話になりますが、今夏、三泊四日の日程で恒例の富士山に登ってきました。
通常、「富士山に登る」というと、パーク・アンド・ライドの拠点となる2号目付近の駐車場からバスで標高2500mの五号目まで向かい、そこから自分の足で3776mの山頂を目指すということになります。しかしながら、昨年から私は海抜0mの田子の浦の浜辺から3776mの富士山山頂までを自力のみで踏破する「富士山ルート3776(通称「ゼロ富士」)」という富士市の公式ルートにチャレンジしています。昨年は私のみの登山でしたが、今年は中学校1年生になった長男も一緒でした。累計標高差は上り4365m、下り1864m。直線距離にして51.8kmの行程となりました。
「なぜゼロ富士に・・・」と問われると答えは単純で、5号目の標高2500mからの富士登山は何度も経験しすぎて飽きてしまったからという理由です。しかしながら、その本質的なことを改めて考えてみると、単純に何も無い状態から物事を作り上げていく、いわゆる「ゼロイチ」という領域に、私自身の興味があるからです。
何もないゼロというところから物事を作り上げていくこと。イチという端緒を掴んだあとにそれを伸ばしていくこと。双方が大切だとは思いますが、必要とされる能力は全くもって別物です。とりわけ当社のように、まだまだ道半ばであり、新たな物事を作り上げていく段階にある組織は、前者の経験が必要とされます。
何も無い状態、まったくもってゼロの状態から、将来のありたい姿をイメージし、これからどうなるかを考え、段取りを組んで実行していくことを、社内では「仕切る」という言い方をしています。そして、この仕切るという力においても、正解となるような手段が着手段階で出現している可能性は極めて低く、ここでも仮説と検証の技術が必要とされます。
全く何も存在していない状態から、未来をイメージした上で物事を仕切ることができるかどうか。この力は弊社のみならず、ご縁をいただいているお客様の発展においても大いに必要とされる能力であると確信しています。すでに存在していることはもちろんのこと、まだおぼろげで未知の領域のことであったとしても、「一緒に取り組むことができてよかった」と思っていただけるように、ゼロイチで物事を仕切る力をつけていきたい。その先導として私たちがありつづけたいと想いを新たにしました。