ブレインストーミング、メンバーとテーマ設定

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

参加者の叡智をあつめ、アイディアを昇華させていくブレーンストーミング。

前回は、他人のアイディアに便乗して、アイディアの嵐(ストーミング)の勢力を拡大していくことについて述べました。今回は、メンバーとテーマの選定について私の体験も踏まえつつ、考えてみたいと思います。 ブレストの参加メンバーを設定する際のポイントは、メンバーの多様性です。前回取り上げた4つの原則にあるように、自由奔放に考えること、アイディアの質より量が重視されますので、様々な属性のメンバーが参加するほうが、アイディアの量が増え、幅も広くなっていきます。同じチームのメンバーだけで毎回ブレストしていては、普段の仕事で有形無形の多くの知見を共有してしまっているため、自覚している以上に視野が狭くなってしまいます。できるだけ、他の部署の人たちや部外者に入ってもらうことで、新しいアイディア、斬新なアイディアが得られるようになります。

参加メンバーを設定する際のもう一つのポイントは、その道の専門家ばかりを入れないということです。多様性ということにも通じるのですが、「専門家=良いアイディアを出す」とは限りません。ブレストでは、奇抜なアイディア、突拍子もないアイディアが望まれますので、精通した専門家だけでなく、素人目線のアイディアも必要になります。たとえば、営業支援部門が自社のweb広告の改善についてブレストをしようとした場合、webや広告に強い社員や専門家だけをメンバーとして呼ぶのではなく、経理部門や製造部門など、分野に精通していない人たちも呼ぶ方が、アイディアに広がりも深みも出てきます。

参加メンバーが決まったら、次にすべきことは、テーマの設定です。テーマを設定するときのポイントは制約条件です。私も陥りがちなのですが、ブレストを主催する人たちとしては、「何でもよいから、とにかくアイディアをたくさん出して!」となりがちです。しかし、それをメンバーに求めても上手くいくことはありません。なぜならば、人間は「何でも良いから」と言われると、途端にアイディアが出なくなる生き物だからです。例えば、「夕飯何にしよう?」というと、「何でも良いから」という答えが返ってきてしまい、その先に進まないという経験が誰にでもあるのではないでしょうか。

次回は、引き続きテーマの選定とその後のステップについて述べて参ります。

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