「自分を大切にする」を考えてみる

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

「自分を大切にする」
このことばを耳にしたことがあると思います。

自分を大切にする、とはどういうことなのでしょうか。わがままや自己中心的であることとはどのように違うのでしょうか。頑張ろうと思っても力がでなかったり、他人の気持ちばかりを推し量ってしまい小さな自己犠牲を積み重ねてしまったり。ひょっとしたら、こんなときは自分を大切にできていないのかもしれません。

会社のため、家族のため、友達のため、優しくて頑張り屋さんな人ほど、気がつかないうちに自分のことを後回しにして、人のことを優先してしまいます。そうした行動は素晴らしいことですし、自分が心からそうしたいと思ってしていることでしょう。

しかし、自分のことをいつも後回しにして相手を優先させていると、気づかないうちに心と体に疲れやストレスが溜まってしまうことがあります。

「あの人はしっかりしているから」

いろいろと頼られてしまうこともあるかも知れません。

そうしたことが続いていくうちに「どうして私ばかりにこんなに負担がかかるのか」「人の役に立てるのは嬉しいけど、何だか虚しい」こんな風に感じるようになってしまうかも知れません。

そうした感情に少しでも気づいたら、少し立ち止まってみませんか。自分を大切にする第一歩は、自分の感情に素直に気づくことです。もちろん、自分の感情はいつもポジティブなままとは限りません。疲れている、イライラする、本当はつらい、などむしろ一般的にはネガティブといわれるものももちろんあります。

しかし、そうした感情に気づいてあげられて、ポジティブのネガティブも、いったんはすべてを受け入れてあげることが、自分を大切にするスタートになります。

また、人から「わがまま」や「自己中心的」と言われることを恐れて自分よりもまわりを優先してしまう人もいると思います。しかし、自分を大切にすることと、わがままは似ているようですが、根本的に全く異なります。
自分を大切にすることは、自分の感情に対して素直に心を傾けて、自分の本当の感情に寄り添った行動を取ることです。一方で、わがままとは、自分の利益になるかどうかで物事を判断し、自分の思い通りになるように相手に対して強要をすることです。
例えば、疲れたと感じた時に「今日は疲れているから無理をしないで早く帰って休もう。この仕事は明日片付けよう」と考えるのは自分を大切にしていることですが、「今日は疲れたからこの仕事はやりたくない。だからあの人に押し付けよう」と考えるのはわがままだといえます。

それでは、自分を大切にするにはどうしたらよいのでしょうか。

その第一歩は「自分を批判しない」ことだといえます。自分を大切にするためには、良い部分も悪い部分も含めたありのままの自分を受け入れることです。自分の短所を探して責めたり批判するのは止め、良い面も悪い面も全てが愛すべき自分だと思えるといいですね。

ドイツの物理学者、アルベルト・アインシュタインはこういっています。
「どうして自分を責めるんですか?
他人がちゃんと必要な時に責めてくれるんだから
いいじゃないですか」

謙虚な姿勢は生きていく上で大切ですし、好感も持てます。しかし、それと自分を批判して自身を低く見てしまうこととは、大きく意味合いが違います。

今日は自分を大切にすることとはどういうことなのか、さまざまな観点から考えてみました。自分を大切にすることは、幸せを感じるための一番の近道。つい他の人のために頑張ってしまう人こそ、自分の心と向き合い自分を大切にすることを優先させてあげることが無理なくできるといいですね。

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