現代の論語と算盤は、人づくりとマーケティングという両輪の実現である

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

年の瀬も迫ってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今回も引き続き志に関する所感を書きたいと思います。夢や志というキーワードを度々聞くことがあります。どちらも同じ意味のことばに見えますが、私の意見としては夢と志というものは、似たようで違うものだと思っています。まず、夢というものは、個人の目標であり願望です。例えば、「高級車に乗りたい」「海外旅行にいきたい」など、夢というものは基本的に自分自身のことです。一方で、志というものは夢とは異なります。自分自身だけでなく、社会に対して貢献していくということが志の前提になります。

組織の現場を見ていると良く分かります。何も考えていない組織と志を持って一丸となっている組織とでは雲泥の差があります。目の輝き、言動、勉強量、もちろんお客様に対する姿勢など、全てが違っています。そして、その中心にいるのは誰かというと、当然、志のある経営者です。
志のある会社は元気です。結局、社員というのは経営者の志に賛同します。リーダーが志を持っていないと良い人は集まりません。どうでも良いという考えの人を沢山集めても、会社は上手く前に進められません。

もちろん、どのリーダーは最初、志があったのだと思います。志を持ってスタートしたはずが、自分の志が全うできないかもしれないとある程度悟ってしまった時を、十年二十年と過ごすなかで普通の人になってしまいます。先日、七十代の志ある出版社の社長にお会いしたのですが、その方は「自分の志を実現する理想の会社、理想の社風にするには三十年かかる」と仰っていました。それくらい、当初の志を維持し、全うし、実現していくには、時間がかかるものだと痛感をしました。

志のある会社、志のある経営者がいる会社は元気です。強い意志があるので、中途半端ではありません。しかし、そういう会社は残念ながら世の中に一割も無いのではないでしょうか。志があるかどうかだけでも世の中からの見られ方が全然違うのではないか、と日々感じています。

本年はコロナ禍に悩まされ、まさに私たちの志が試される日々でした。「現代の論語と算盤は、人づくりとマーケティングという両輪の実現である」という考えのもと、私の志の源泉を振り返りながら拙稿を進めてきました。来たる年もご覧いただいております皆様方とともに、論算兼備を実現する経営を目指して参りたいと考えております。良い年をお迎えください。

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