ブレーンスストーミング、6つのステップ(2)
一年で最も昼が長く、夜が短くなる夏至を迎えました。本格的な夏がすぐそこまで来ています。
さて、前回はブレーンストーミングの6つのステップである「ルールとテーマの明示」「制約時間と目標の共有」「アイディアの積極的発言」「アイディアの見える化」「アイディアへの便乗」「アイディアの整理」のうちの、前半の三つについて解説をしました。
続いて、四番目のステップ「アイディアの見える化」では、ブレストで出てきたアイディアをポストイットなどの付箋に書き、ホワイトボードに貼っていきます。ここでの作業の意味は、アイディアと発言者を切り離すことにあります。ブレストでは、「誰が発言したか」よりも「アイディア自身」に着目する必要があります。しかし、発言者と発言内容を切り離すことは意外に難しいもの。どうしても年長者や役職者の発言に引き寄せられてしまいがちです。人間関係を意識してしまうと、その後のアイディアを膨らませ便乗していく作業のときに、「○○部長に後から何か言われるのも嫌だし、彼のアイディアはそっとしておこう」といった心理が働いてしまいかねません。そうならないためにも、アイディアを書き出し、物理的に発言者と切り離すことで、参加者がアイディア自体を直視できる環境を整えます。
その後、五番目のステップである「アイディアへの便乗」の段階では、ポストイットに書かれ、見える化されたアイディアを俯瞰し、それまで出たアイディアに便乗できるアイディアはないか、考えていきます。「便乗する」というとイメージが湧きづらいかもしれませんが、あるアイディアに別のアイディアを統合してみたり、もしくは分割してみたりしながら、更なるアイディアを生み出していくという作業となります。例えば、新たな顧客を見つけるために、「名古屋でセミナーを行う」というアイディアがあったとすると、「全国各地でセミナーを行う」「オンラインでセミナーを行う」「セミナーPRを外注する」「セミナー動画をつくる」などが新たな便乗アイディアとなります。
参加者の中にはゼロから1を生み出すのが得意なアイディアを生み出す人と、1から2や3を作り出すための言い換えや展開が得意な人がいます。そのため、便乗の段階において、一気に拡散していくことが往々にしてあります。以上を踏まえつつ、ファシリテーターは各参加者の適性を見ながら自由闊達な発言ができるように促していきます。