仮説と検証2「何よりも実行を大切にしたい」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

前回より仮説と検証について取り上げています。仮説と検証は、ある程度の情報を集め、推測として答えを導き出し、間違っていないことが確認できれば、次に物事を進めていくというアプローチです。

 この仮説と検証を分解すると次の5つの段階に分けられます。

 目的:何を成し遂げたいのか
 論点:目的を達成するための課題は何か
 仮説:論点に対して現在の情報からの推測としての答えは何か
 検証:仮説に対して裏付けを得る作業
 示唆:検証の結果から得られる意義の把握

 答えがわかりづらい問題があるからこそ、仮説を立てて検証していく手法が必要となります。その結果として打ち手の考案に結びつけていくことが大切です。それを実行して効果が出れば、仮説が正しかったことが検証されます。

 次に打ち手ですが、表層的な現象に手を打つようでは、モグラ叩きゲームになってしまい、原因の抜本的解決に至りません。ロジカルシンキングやクリティカルシンキングでも取り上げたように、「何故なのか」を繰り返し究明しつつ、根本原因に対策を打たなければ効果は出ません。表層的なところにとどまっていないかを冷静な目で意識しながら、全力で打ち手を考え、実行することが最も重要といえます。

 となると、何よりもまずは実行が重要ということになります。つまり、仮説と検証というものを意識して活用してみるということになります。ポイントは、あまり難しいものとして考えず、ひらめいた答えを仮説として置いておき、それが答えとして合っているかを調べる作業です。その答えが正しいのならば、当然それで良し。もし、間違っていると判断されれば、改善した答えを次の仮説として検証することになります。

 もちろん、だれでも課題に対して最初に取り組む段階では情報は少なくあやふやな状態です。しかし、あまり恐れずに仮の答えを見つけていきます。それを繰り返していくと、次第に正しい答えに近づいていきます。たとえ間違っていても、次の段階で「少しでも答えに近づく」ことを意識すれば良いとも言えます。先にアテもなく網羅的に調べて完璧な答えを見つけようと模索するよりも、格段に早くゴールに近づくことができるはずです。

 二宮尊徳翁の名言に「至誠と実行」ということばがあります。現状を真摯にみつめ、仮説をたて、何よりも実行するということを尊びながら、ゴールに近づいていくことを意識していきたいものです。

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