「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
山本五十六元帥の有名な言葉です。率先垂範、そして当事者意識を高めることを端的に表した名言として紹介しました。率先垂範と当事者意識の醸成。リーダーにとってはこれほど難しいことはありません。

今回は、私たちの会社の事例も振り返りながら、このことについて考えてみたいと思います。

コロナ禍が一旦は落ち着きを見せる中、当社では、本社部門においてリーダーもそうでない者も積極的な営業活動に邁進する姿が多くみられるようになりました。DMの送付、その送付先に対する電話掛け、ホームページや印刷物の見直し、お客様訪問や提携先でのセミナーなどが行われています。すべての物事を一から十まで行うことができない経営者としては、この様子を垣間見るたびに、感謝の気持ちでいっぱいです。

簡単なことに流れたり、逃げてしまったりしたくなる困難な事ほど、リーダーが先陣を切って行うことが必要です。火中の栗を拾う、自らチャレンジしていくと言い換えることもできます。リーダーの行動が組織の風土を醸成するという視点も忘れてはなりません。メンバーはリーダーの背中を見て行動するからです。組織に根付かせたい行動モデルを念頭に起きつつ、自らが行動することが重要です。

次に、当事者意識については、部下に任せること、責任を持たせることが前提になります。任せる側のリーダーについては、自らの信念を持ち、任せた相手に対して実行責任をしっかりと自覚させる能力も必要になります。任せた相手の当事者意識の涵養を促しつつ、見守り、成果と達成感を感じてもらい、育成を図ることが求められます。当事者意識があれば、指図がなくとも自分で考え、動くことができ、会社が前進するスピードが上がります。本気になって考え、行動するので、成果の量も質も向上します。

では、どうすれば、当事者意識を高めることができるのでしょうか。私は、その近道は、逆説的ですがリーダーが安易に答えを出さず、本人が「目的、意義を捉え、何をどうすることなのかをとことん考える」というきっかけをつくり、本人の言葉で語れるように導くことであると考えています。

「思考は現実化する」とナポレオン・ヒルがいったように、自分がやりたい行動を、自分の言葉で認識し、述べること。この段階を踏むことが、実は成長へのいちばんの近道ではないでしょうか。

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