ゼロイチを運用する人材「行動までのスピードを大切にしたい」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

まだ世の中に存在していない製品やサービス、価値をつくり出すことを意味するビジネス特有の用語である「ゼロイチ」。そのゼロイチに立ち向かっていくことができる人たちの資質について取り上げています。前回・前々回は「逆境を楽しむ力がある」「机上ではなく実行しながらPDCAを動かす」「自らの手を動かせる」「コスト意識」「自分の新しいことや曖昧なことへ挑戦できる」を取り上げました。本日は、その続きを解説していきます。

「コミュニケーション能力が豊か」
 ゼロイチで新たなプロジェクトを立ち上げ、円滑に運用していくためには、当然、人との関わりが不可欠です。社内の関係者だけでなく、社外の協力者などと、スムーズに意思疎通ができることが、プロジェクトマネージャーには求められます。そのためには、何よりも各者との信頼関係の構築が大事であり、そのためのコミュニケーションの力が非常に重要になります。

 また、他にも顧客と対話を繰り返すなかで要望や改善を把握したり、新規プロジェクトの素晴らしさをプレゼンテーションしていくときにも、大切な資質になります。関係者や顧客との対話や、彼らに伝えたいことを正確にわかりやすく伝えていく技術を持っている人は、ゼロイチに向いているといえます。
「行動に移すまでが早い」

 最後に伝えたいことは、何よりもスピードです。スピード感を持った行動ができることは、新規事業の立ち上げにおいて大切な要素になります。変化の激しい現代社会において、既存事業であっても、新規プロジェクトであっても、内部環境・外部環境の変化を的確にとらえる必要があります。とくにまだ実績がないゼロイチの段階では、市場環境を見誤ることは致命的ともいえます。ほかにも、新規プロジェクトの立ち上げを運用している期間は、問題が発生することも多くなります。そのトラブルに果敢かつ迅速に対応していくことが求められます。

 そのためにも、普段からフットワークが軽く即座に行動に移すことができる人は、ゼロイチに向いている資質を持っているといえます。ただし、スピーディに行動するあまり、リスクを度外視してしまうようなことにならないことも大切です。

 新規プロジェクトをゼロイチから運用することができる人材は希少です。世の中を見渡してもそのような人材は限られますが、まずは私たちリーダーこそが、新しい分野に挑戦する気概と冷静さを兼ね備えた存在でありたいものです。

Human resource management and recruitment business concept. One person standing in epicenter. AI generated.

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