質か量か「成長の源泉となるもの」

加藤滋樹のつぶやき(人づくり×マーケティング)

先日、私たちがご支援をしている海外人材の日本語指導を担当するスタッフとのミーティングに参加しました。その際に、海外人材の成長に関して思ったことがあります。また、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域でご縁をいただいている顧問先の社員の方々の意識や結果の変革についても、共通する感想を持ちました。

 本日は、そのことについてまとめてみたいと思います。

 海外人材の成長、顧問先の社員の方々の変革、ともに成長や成果が生まれている事例のエッセンスをひもといてみると、それは「質より量」の一言に収斂されます。

 海外人材でいうと、日本人の社員との会話を増やしたり、(弊社は介護施設のご支援が多いこともあり)利用者の方との会話を積極的に行ったり、日夜日本語の宿題やテキストを頻繁に解いている人は、最初は辿々しくとも、数ヶ月で相当伸びていきます。

 また、詳しいケースは書けないのですが、特に素晴らしいノウハウがあるわけではないにも関わらず、愚直に消費者のところを訪問し、地道に凡事徹底を繰り返している企業の社員の方は、やっぱり成果が出ています。

 事業領域やお取引先の企業の業種に関わらず、自分から仕事を創造しに行く人、もう少し噛み砕き初歩的な言い方をすると「お聴きしていいですか」「現場にいっていいですか」という人と、誰かから何かが来ることを待っているいわゆる指示待ちの人とでは、たった1ヶ月でも厳然な差がついてしまいます。

 加えて、さらにもったいないのは、悩んだところで答えは出ないことに悩んでいる場合で、想像活動という聞こえのよいものが、結局は悩んでいることと同義になってしまっていることです。悩んでいたり、想像だけにとどまっていたりして、実行に繋がっていないのでは、失敗も成功も生まれません。

 経営学者でシンクタンク・ソフィアバンク代表の田坂広志先生の著書に、しばしば「人生において成功は約束されていない。人生において成長は約束されている」という趣旨のことばが掲載されています。この格言の前段を紐解くと、成長への端緒が必ず何かの多様な実体験に裏付けられていることが伺えます。

 量か質かということをよく社内でも話すのですが、誰もが最初から質を備えているわけではなく、質に変容していくまで量に向き合うことが肝心です。量に向き合うことから逃げることなく、質の向上を図る社風を築いていくことを、改めて考えさせられました。

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