変化と成果の承認
10月に入り、早いもので今年ももう3ヶ月を切ってしまいました。季節の移り変わりが本当に早いことを実感します。
さて、人づくりとマーケティングの視点からのコーチングとして、前回は「存在の承認」について取り上げました。今回は残りの二つである「変化の承認」と「成果の承認」について取り上げていきます。
「変化の承認」とは、相手の些細な変化に気づき、その事実をそのまま伝えるというものです。「いつものとやり方を変えてみたんだ」「手帳を新しくしたんだ」など、意識して褒めるというよりも事実をそのまま伝えることが重要です。
例えば、自分がカレーを作るときに、いつもの違うルーを変えたり、スパイスを少しだけ変えてみたりした場合に、「お!いつもと味付けが違うね」と声をかけられたら、どのような気分でしょうか。「私のことをしっかりと見てくれているな」と感じるのではないでしょうか。何気ない変化に気がつけば、「あなたのことをしっかりと見ていますよ」という承認のメッセージを伝えることができます。
次に、「成果の承認」です。これはまさに「褒める」ことです。「以前より作業のスピードがあがりましたね」や「今日のプレゼン、とてもよかったよ」など、相手が何かを成し遂げたことを褒めることにより、意欲の向上や成長に向かう主体的な自己実現を促します。仕事の成果を出していない相手の場合はどうなるのか、ということも思われるかもしれませんが、ここでいう成果に大きい小さいはありません。相手が成果と感じていない些細なここであったとしても、成果として承認すれば「しっかりと見てくれている」というメッセージは伝わります。
また、たとえ成果として目に見える果実が得られなかったとしても、必ずその過程には努力がありますので、その過程を褒めるだけであったとしても有益です。「結果としては残念だったけど、前向きな姿勢は素晴らしかった」「期待した成果は出なかったけれども、プレゼンテーションのスキルは上達しましたね」などと声をかけることで、「次も頑張ろう」という前向きな姿勢を産むことに繋がります。
立場や役職が上になればなるほど、「管理しなければ」という思いが先行してしまい、欠点に目が向いてしまいがちですが、一人一人の持ち味や長所をしっかりと伸ばすために、相手をしっかりと観察し、変化や成果、そしてチャレンジを見逃さないようにすることが大切です。