コロナ禍におけるPEST分析
猛暑と局地的な大雨の報道が続いており、これ以上の災害が起きないことを祈るばかりです。
さて、先般より政治・経済・社会・技術の4つの要因から自社の外部環境を分析するPEST分析を取り上げています。
その関係で、先日、コロナ禍における外部要因の変化について、お客さまと意見交換を行いました。今回はその様子を振り返りながら、皆さまに普遍的な事項を取り出して紹介していきます。
Politics(政治)要因としては、緊急コロナ対策として国民や事業者に給付金が支給されました。新型コロナウイルス感染症特別貸付も実施されました。雇用調整助成金による雇用維持の支援も続いています。当面のところは雇用や景気の下支えとして、金融緩和や政府の支援策は継続される見通しです。一方で、長期でみると税収や歳出歳入の均衡を図るために、財政の引き締めが行われる可能性があります。また、依然として完全雇用状況下での政府支出が続いていますので、国内要因によるインフレが続く可能性もあります(現在起きているインフレは海外要因によるものです)。
Economy(経済)要因としては、リモートワークが進み在宅関連のビジネスが伸びた一方で、外食や会合、イベント関係の業界には深刻な影響が出ました。また、家計においては、2年以上に及ぶコロナ禍での機会喪失から貯蓄が増えた人は多く、その分が平常化するだけでも、消費支出の一層の押上になり得る可能性を持っています。
Society(社会)要因としては、何よりも人との直接接触の機会が元通りになるのは、まだ期間を要することが予想されます。リモート会議は常識となり、必ず会社に行くという概念もなくなりました。東京・名古屋・大阪といった大都会への集中は見直され、本社や営業所への移転も進みます。都心部のオフィス賃料も長期的には下落が予想されます。一方で、SNSやITを通じたコミュニケーションが活発化し、関連のビジネスや生活様式が広がっていきます。また、今回のお盆休みの報道にもあるように、帰省や友人と出かけるといった外向きの活動に潜在的な欲求が高く、リアル体験を充実させたい気持ちの高まりにより、今までの貯蓄を消費に転換させていくことが期待されます。
今回は、文字数の都合で政治・経済・社会の要因について取り上げました。次回は技術要因を取り上げたのちに、今後を見通すキーワードについて考えていきます。
当社コラムをご覧いただきありがとうございました。
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